中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

偏差値の推移からみた、進学実績が伸びる学校、苦戦する学校【女子編】

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四谷大塚 入試結果80偏差値(一部抜粋)

 

2021年の 三田国際 の進路実績を見たとき、

今の偏差値のわりに、たいしたことがないって

思っちまいそうだが、そりゃとんでもない誤解だ。

 

彼ら一期生が入学したころの偏差値からみりゃ

国公立13名、早慶7名は大健闘ってことだぜ。

 

今後さらに合格実績を伸ばしてくんだろ。

6年で18ポイントも上げてるんだしよ。

 

しっかし、女子は男子よりだいぶ

6年間の変動が激しい感じだわ。

二極化ってやつが止まらん。

 

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四谷大塚 入試結果80偏差値(一部抜粋)

 

偏差値の推移からみた、進学実績が伸びる学校、苦戦する学校【男子編】

結果80偏差値一覧が発表されたんで、
2021年と2015年の比較をやってみたわ。
 
最新の大学合格実績出してんのは主として
2015年入試で入った層だから、比べてみれば、
将来の実績が予想できるんじゃないかってわけよ。
 
6年で偏差値が下がってる学校は、いずれ合格実績で、
苦戦するだろうし、逆なら躍進すると考えられるもんな?
 

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四谷大塚 入試結果80偏差値(一部抜粋)

合理的な勝負を目指す『中学受験 大逆転の志望校選び』(安浪 京子)

タイトルは軽薄だがしっかりした内容だ。

有名なプロ家庭教師の本だが、失敗した話も

ちゃんと載せてるところに誠意が感じられたぜ。

 

大逆転を目指そうではなく、発想を逆転させよう

偏差値とは違う軸も重視して学校選びをしよう

コスパのいい努力をしようって勧めてるぜ。

 

実力に見合わない学校目指せって本だと

早とちりしてたが大間違いだったわ。

 

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『中学受験 大逆転の志望校選び』(安浪 京子/文芸春秋)

 

この本の最大の魅力は分布図にあるぜ。

校風や出題傾向を一覧表にした分布図だ。

こいつは学校選択に欠かせない情報源だぜ。

 

在校生の親に聞いてる話と食い違う部分もある

数字に表れない傾向を掴むのなんかに役立ちそうだ。

 

受験校選びにはにはコスパの悪い組み合わせがあるとか、

自由な学校は成熟した子に向き、そうでない子の場合

管理された方が伸びるってのは無い発想だったわ。

 

(校風マトリクス図のうち、浅野豊島岡女市川東京農大第一などが含まれるゾーンは)課題を与えられ、管理されることで伸びる子におすすめです。(本文より一部抜粋)

 

6年前半、日特に通っていいのはどんな子か?

模試の合格可能性はいつから気にするか?

こんな話にも関心がある人にお勧めだ。

勉強は未来の自分へのプレゼント『団地のコトリ』(八束 澄子)

「居所不明児童」って言葉は初耳だったぜ。

おもにに“大人の事情”で行方をくらませていて、

行政が居所を把握できない子のことを言うらしい。

 

当然まともな教育や医療など受けられないことになる。

貧困や暴力と深いかかわりのあるパターンが多いようだ。

全国だと何百、何千人って数になるっつうから驚きだよな?

 

この本の主人公は忙しい母と団地で暮らす普通の女の子。

生活は楽でないけど、元気にバレーボールに打ち込む、

そんな彼女が下の階に少女がいるのに気づくんだ。

 

学校に行かずひっそりと暮らす謎の少女は、

のちに命の危機にさらされることになる。

 

中受するような恵まれてる子は想像もしない

社会のすそ野の大きさ実感させてくれる本だぜ。

 

とか 慶應湘南藤沢 なんかでも似た系統の作品を

出してきたから、『団地のコトリ』も要チェックかもな?

八束澄子は近年そこそこ出題されてきた作家でもあるからよ。

 

終盤のこんな言葉は、きっとそのまんま受験生に贈りたくなるぜ?

 

勉強は明日の自分へのプレゼントだ。だれのためでもなく、明日を生きる自分の糧となるのだ。(本文より)

 

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団地のコトリ』(八束 澄子/ポプラ社

 

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真面目 ときどき 型破り、期待以上の『新・男子校という選択』(おおた としまさ)

「もしも、お母さんが子どもと同年代だったとして、お子さんをカレシにしたいと思いますか?」

 

ときて「無理?なんで無理なもん育ててんだよっ!」っていう

麻布OBとの対談にでてくる一コマが、かなり面白かったわ。

 

東洋英和の男子部が麻布になったなんて知らなかったし

ガリ勉が疎まれるのが麻布の文化ってのも初耳だぜ。

 

温厚男子がマイペースに過ごすせる学校の話とか

女子校との公式交流に積極的なサレジオ学院だとか

知らない話がふんだんに盛り込まれてて勉強になった!

 

興味深かったのは、男子校出身者の大学1~2年における

カノジョいる率が著しく低いっていう明治大教授の調査だな。

それがのちの人生でどう変化するかってのも面白い話題だった。

 

教育論として考えても興味深い内容もちりばめられてたぜ、

例えばこんな言葉には、ちょっとばかしドキリとしたな。

 

ありのままにふるまう自分を否定され続けた男子は自己表現しなくなる。(本文より)

 

男子にありがちな未熟さを過度に否定しちまうと

自己主張が弱くなるってのは理にかなってるぜ。

 

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『新・男子校という選択』(おおた としまさ/日本経済新聞社

 

男女別学にすると男子の学力が伸びるっつう話は、

海外の研究成果までまとめられていて参考になったぞ。

男子校のプレゼンでそのまんま使えそうな程の説得力だ。

 

男女別学で成績が上がるんなら塾もそうすればいい。

そう思いかけて気づいたんだが、既にあるわな。

志望校別コースという形での男女別学が。

洗足学園中 で出題『空色ヒッチハイカー』(橋本紡)

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『空色ヒッチハイカー』(橋本紡/新潮社)

 

子どもに絶対にマネして欲しくない

そう思うイベントが盛りだくさんな話だ。

 

高3が無免許で900キロ走りまくるだけじゃなく

見ず知らずの人をかわるがわる乗せていくからよ。

まぁ、主人公の兄貴の生き様はカッコいいんだけどな。

 

出題箇所は主人公が幼いころの回想シーンだから、

目くじらを立てるようなことはないんだけどよ。

 

全体を通しては、小学生には見せたくない

シーンなんかもあるんで要注意かもな?

まぁそういう部分こそ面白いんだが。

 

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本筋からは外れるが、受験生の親としては

こういう東大生の兄貴の言葉に気を取られたぜ。

何が何でも東大派には不都合な真実ってやつかもな。

 

(東大卒は)ラインに乗れるようなところに進めばいいけど、他の学校の奴らと競争しなきゃいけないところだと、学歴がかえってハンデになったりするらしいよ。(本文より)

中学受験をしないリスク『子どもは公立に預けるな! 』(和田 秀樹)

過激なタイトルだが中身も激しいぜ。

いまの公教育じゃ資質が育たないとか

メンタルヘルスに悪いとか言いたい放題。

 

ゆとり教育の真っ最中で公立中高一貫校

評価も定まっていなかった時期の著作なんで

そういう話になるのも仕方ないかも知れねえが。

 

公立校はスクールカーストが大変だってのは、

俺なんかにはちょっと腑に落ちなかったな。

どこの学校にもそれはあると思うからよ。

 

ま、どっちかと言えば参考になる話が

多かったって印象ではあるけどな。

 

この意見とか頷くしかないぜ。

 

「詰め込み」という言葉には悪いイメージがつきまとっていますが、トレーニングを何度も繰り返して頭の中に定着させたり、覚えなければならないものをきちんと知識として頭に入れさせるのが「詰め込み」だとしたら、それをやらないで、どうして学力向上が図れるのか。(本文より)

 

この競争社会を生き抜くためにも

若いうちから競う体験をさせておく。

 

かわいそうとか言って敬遠してるほうが

むしろ、かわいそうな結果にならないか?

そういった著者の持論がなかなか興味深いぜ。

 

通信簿によくある「もう少し」って言いまわしは

おかしいんじゃないか?って話もうなずくしかない。

全然ダメでも「もう少し」じゃ実態がわかんねえわな。

 

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『子どもは公立に預けるな! 』(和田 秀樹/ソフトバンククリエイティブ