中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

【二月の勝者】魔改造と、ゆる受験

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二月の勝者 ―絶対合格の教室―(高瀬志帆/小学館

 

ボーイの学習面では俺はクソの役にも立ってないんだが、

ここ一年ほどの間にサピ偏が10近く上がったっぽいわ。

 

去年のSOでは平均点に届かず、志望校の判定は20%

近辺だったが、学校別SOではちゃんと戦えてたからよ。

 

『9月の勝者』の秘訣はコレ!ってしたり顔で言いたい

ところだが、実際のトコ殆どツレの能力と熱意の賜物だ

 

仕事忙しいのに時間さえあればテキストの予習、赤本の

読み込みに没頭して、もう金取れるんじゃねーのかって

勢いで、息子に知識や解法を叩き込んでくれてるからよ。

 

いっとき俺が国語を教えようとしたが全くかなわんのよ。

俺なんかじゃ魔改造の足手まといにしかならねーの。

もうね、後方支援に徹する以外に生きる道はないわけよ。

 

さて、魔改造っていやぁ二月の勝者では、限界まで

能力を伸ばして何とか名門中に滑り込んだ子が入学後に

悲惨な運命をたどっちまうってエピソードがあったよな。

 

ウチもそうだが、特別な働きかけで成績を伸ばしてきた

タイプは合格可能性が高いとこだけ受けるといいかもな。

 

そうしないと、勉強に心臓を捧げても後れを取り続ける

泥沼にはまったような学園生活が待ってそうな気がする。

 

「ゆる受験」が叩かれてるらしいが、いいんじゃねーの。

学級で3番ぐらいに入れる地頭のいい子がやる分にはよ。

 

余力十分で入学した私立中学で、勉強で抜きん出た上に

部活も学校行事も、楽しめそうなイメージが湧くもんよ。

 

www.jukenlab.net

出題が予想される物語文『イカル荘へようこそ』(にしがき ようこ)

yukikaze.hateblo.jp

 

公立高校入試の頻出作家だが

いくつか受賞歴もある先生だし

ノーマークって訳にはいかねえな。

 

入試で使われそうな雰囲気があるって

8/21に書いたイカル荘へようこそ』

今日のサピックスオープンで出たらしいぞ。

 

この本も、飛ぶ教室で紹介された作品だが

あらすじを簡単にめとめてみるとこんな感じだわ。

 

主人公は両親の争いが絶えない家から離れたい中2女子です。暴君な父を目にしたおせっかいな女性が、インドネシア留学生もいるイカル荘で受け入れてくれることになり、そこで暮らすうちに主人公の価値観に変化が生じていきます。帰ってくる場所はイカル荘しかないとまで思い詰めていた彼女ですが、やがて両親の思わぬ姿を目にすることになるのでした。

(以上、本文のさわりを要約)


ちょっとでも調子を崩してるママの力になりたい。

そういう一心で生活力を磨く主人公が眩しいぜ。

 

自活の大切さは次の言葉が教えてくれるぞ。

カタコトだが、なかなか心に響いてくる

物語を象徴する言葉”だと感じたな。

 

人に頼らなくてすむ。それ自由になれること。どこでも生きていけるね。

(本文よりインドネシア少女の言葉)

 

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イカル荘へようこそ』(にしがき ようこ/PHP研究所

 

塾にはカネを落とさない聖光学院『塾・予備校特集』(週刊ダイヤモンド2021年9月25日号)

受験塾特集とは珍しいぜ!

なかなか楽しませてもらった。

 

特に偏差値帯ごとの合格者リストは

塾ごとの受験生のボリュームゾーンが、

どのレベルなのかが一目瞭然でよかった!

 

中堅校以上の学校の塾別の合格者数3ヶ年分を

まとめた資料も、どの塾がどの学校に強いかが、

パッと見てわかる素晴らしい出来の資料だったぜ。

 

ウチの場合、押さえの学校にサピックス軍団があんま

攻めて来ないらしいとわかったのが安心材料になったわ。

 

開智、大宮開成淑徳与野鎌倉学園横浜雙葉とか、

日能研が特に強みを見せる中堅校ってのもあんだな。

 

塾いらず中高一貫校の話なんかも面白かったぜ。

聖光学院の生徒は、塾に通う子はごく少数で

通うときもほぼ無料特待生で行くらしい。

 

親としてはスゲー助かる話だわな。

ウチも受けちゃう?と思ったが

偏差値見たら、もうなんも。

 

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週刊ダイヤモンド2021年9月25日号より

 

引きこもり中2少女の覚醒『庭』(小手鞠 るい)

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『庭』(小手鞠 るい/小学館

 

心が病まないためには

「安全基地」が大事だって

専門家の意見が多いようだな?

 

変な訳語だが要は心が安らぐ場所

それが心の健康には必要ってことだ。

 

この本の主人公の少女は学校の人間関係で

ボロボロに傷つき、ついに登校できなくなる。

 

万策尽きた感で、会ったことのない祖母のもとを

訪れるんだが、それが転機になって元気を取り戻し

目標まで見つけて、もう別人のようになるってわけよ。

 

あるがままを受け入れてくれるばあちゃんの存在が

引きこもり少女の「安全基地」になったわけだ。

 

厳しい時代を生きたハワイ在住日系人の歩み

なんかもテーマに織り込まれた作品だぜ。

 

主人公の成長異文化交流、さらに

平和への祈り、これらは出題者の

目にとまりそうな要因だわな。

 

ま、この作者はあんまし

入試で出たことない

わけなんだが?

 

bookmeter.com

さすがJG志望、兄貴もハンパない

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グーグルアースより女子学院の空撮画像

 

学校別サピックスオープン

帰りの電車で向かいに座ってた

兄妹にはアッとおどろかされたぜ。

 

女子学院 の解き直しを中3ぐらいの

兄貴が主導して仲良くやってんだもん。

 

電車おりるまでず~っと答え合わせして

解説して、アッ、わかったって妹が小さく

ガッツポーズしてたりしててマジ圧倒された。

 

親不在でも、ちょっとの時間も復習の為に

無駄にしない優等生気質にビックリだぜ。

JGに対応できる兄貴もタダ者じゃねぇ。

 

まぁ向かいにいた30分、うちのも

わき目もふらず読み込んでたぜ。

 

呪術なんたらってアレをな!

村上しいこ作品あれこれ

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『みつばちと少年』(村上しいこ/講談社

 

サピ学校別オープンに向かう電車の中

村上しいこの新作『みつばちと少年』

読んでたら、息子がのぞき込んできて一言。

 

「その話知ってる」(息子)、「えっ?」(俺)

「合不合で出た」(息子)、「いつの!!」(俺)

「昨日のやつ」(息子)、「はぁぁああ??」(俺)

 

もう少し早く読ませればー・・、と思ったんだが

よく考えたら模試は初見の方がベターだわな。

変に筋書き知ってると結果が歪みかねん。

 

村上しいこの新作は『イーブン』

あるんだが親が発達障害傾向で

DVもあったりする作品だ。

 

重くて素材にしにくい印象だが

壊れた関係を直していくためには

何が必要かって部分は素晴らしいぜ。

 

新作ではないが『死にたい、ですか』

絶対入試に出ないと思うが衝撃作だったわ。

 

ひとたび自殺を試みた人間は、72%の確率で

今度はより確実な方法で死のうとするって話には

もう、頭をブン殴られたような衝撃を受けちまった。

 

ニュースなんかでも自殺を止めたって美談がよく載るが、

メデタシメデタシみたいな単純な話では無いってことだな。

助けられた人は死ねずに絶望してるかも知れないわけだから。

合不合の活用法は助かるな『プレジデントFamily 2021年春号』(プレジデント社)

名門校校長インタビューでは

麻布の先生の話が面白かったな。

 

ニュートンはペスト流行で大学が

閉鎖され、郊外で思索の日々を過ごし、

万有引力の法則を発見したといわれてる。

 

キミたちにも今だからできることを追求して

欲しい」ってコロナ禍の中で周知したらしいぜ。

学生だけじゃなく多くの人に響く言葉と感じたわ。

 

わずか2ページの企画だが模試の正しい使い方

おかげで解りにくかった合不合学習診断表

活用方法が解ったんで読んでよかったぜ。

 

模試帰りの子に言って欲しくない

言葉のくだりにはドキリと

させられる、かもな?

 

コレ、本番も

同様な。

 

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『プレジデントFamily』(プレシデント社)より四谷大塚情報本部長の言葉