中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

算・国の難易度に偏りがある学校(中堅校~上位校)

日能研の入試分析会で配布された資料より

 

引続き日能研オン・ザ・ロードのネタだ。

国語素材文の冊子を狙って申し込んだら、

思わぬお宝があるのを見つけちまったわ。

 

それが『学校別・分野別難易度一覧』だ。


2年分エクセルに打込んで集計した結果、

偏差値60以下の学校のうち、算・国の

難易度に偏りがあるとわかったのがコレ

 

算数が難しく、国語が易しい学校

明大中野、暁星、学習院女子、中央大学附属、開智(先端)、世田谷学園学習院巣鴨城北埼玉春日部共栄

 

国語が難しく、算数が易しい学校

神奈川大学附属、日本女子大附属、光塩女子学院昭和女子大昭和、カリタス女子、横浜女学院桐光学園、藤嶺学園藤沢、聖園女学院

 

得意科目は難しい方が差をつけられるし

苦手科目は易しい方が助かりそうだよな

 

うちのボーイは偏差値で届いてる学校の

算数過去問で苦戦してて不思議だったが

日能研の資料のお蔭で理由が分かったよ。

 

算数が難関レベルに難しい学校

暁星、芝、学習院女子、開智(先端)、世田谷学園、都市大付属、横浜雙葉巣鴨

 

国語が難関レベルに難しい学校

芝、神奈川大学附属、横浜共立学園

 

学校別・分野別難易度一覧(2021・2022)を集計してみた

 

難問が少ない難関校

日能研の入試分析会オン・ザ・ロード

資料のうちで、最もお宝だと思ったのは

各校の入試問題の難易度を評価した部分

 

「探求したい」が刺激される中学入試問題2022の冊子より

 

科目だけでなく、単元別にA~Cで評価

しているから、細かい部分の難易度まで

他校と比較ができるというスグレモノだ。

 

手元に2021年と2022年の資料が

あるんで2年分集計して解ったのがコレ。

 

算数の難問が少ない難関校

女子学院、慶應湘南藤沢、吉祥女子、頌栄女子学院、学芸大附属世田谷、サレジオ学院立教女学院東京農大第一

 

国語の難問が少ない難関校

慶應義塾中等部慶應義塾普通部浦和明の星女子洗足学園白百合学園、東邦大付東邦、明治大学明治、頌栄女子学院、東京農大第一

 

算国の難易度に差がある難関校(算数難/国語易)

灘、渋谷教育幕張、慶應義塾中等部慶應義塾普通部浦和明の星女子洗足学園白百合学園、東邦大付東邦、明治大学明治

 

算国の難易度に差がある難関校(国語難/算数易)

学芸大附属世田谷

 

 

難関校よりも中堅校の出題難易度の方が

各学校の特色がよく出てて面白かったわ。

 

算・国の成績に偏りのある子の親は特に

資料をチェックしたほうがいいかもな? 

かな~り易しい『答えは風のなか』(重松 清)

重松清の作品の中ではかなり平易な部類。

『小学五年生』はちょっと難しいという

子どもでも、スラスラ読めそうな感じだ。

 

ラストを読者に委ねてる作品もあったが、

『答えは風のなか』ゆえタイトル通りか。

 

短編『おばあちゃんのメモ』は家族愛に

ほっこりできて素材文にもしやすそうだ。

簡易レビューだと、こんな感じになるな。

 

主人公は小6女子。しっかり者でがまん強いおばあちゃんが、コロナ禍で弱気になっているのを心配した彼女は、意外な方法で自分の想いを伝えようとします。

 

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『答えは風のなか』所収の短編『おばあちゃんのメモ』(重松 清/朝日出版社

 

地道に、こつこつがいい『博士の長靴』(瀧羽 麻子)

本人の得意なことを好きにやらせるのが、結局は息子のためになるんじゃないかと。(本文より)

 

『たまねぎとはちみつ』が2020年に

4校で出題されてる注目作家の新作だわ。

 

狙い目は博士の弟子が主人公の章かもな。

彼が博士の中三の息子の家庭教師になり、

やる気のない相手に苦労するあたりとか。

 

地域防災の話に、博士の孫娘が登場する

章なんかも後半が素材にしやすそうだわ。

 

以下は俺のブックレビューの書き出しだ。

 

気象学に生涯をささげた博士と周囲の人々の生き様を、さまざまな視点から描いた60年超にもわたる物語。研究一筋で人に関心が無さそうな博士が、ここぞというときに見せる不器用な優しさがいいですね。

 

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『博士の長靴』(瀧羽 麻子/ポプラ社

 

心も躍りだすリズム『ピアノをきかせて』(小俣 麦穂)

日本児童文学者協会新人賞受賞作であり、

2019年入試では3校で出題されてる。

 

家族愛があふれる良質な児童書なんだが

主人公の母や姉とは対照的に描かれてる

音楽を心から楽しんでる人達に要注目だ。

 

俺のレビューの出だしはこんな感じっす。

 

主人公は空想の世界に浸るのが好きな小6女子。母の期待に圧し潰され心を病みかけていた姉を、彼女が様々な年代の仲間と力を合わせて助け出そうとします。音楽の喜びを大切な人に届けよう。そんな気持ちで一つになる主人公たちの純真さに打たれましたね。

 

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『ピアノをきかせて』(小俣 麦穂/講談社

 

向学心がとまらない『このそらのずっとずっと向こう』(鳴海 風)

外国では女の人も大事にされ、立派に仕事をしています。これからの日本にも、そのような女の人が必要です。(本文より)

 

読書感想文コンクール課題図書になった

こともある作家の新作なんで読んでみた。

 

学びたい気持ちをおさえられない少女が

外国語を習得して自分の人生を切り拓く

 

女子英学教授所の創設者がモデルらしい。

中身はおおむねフィクションだけどな?

 

俺のレビューの書き出しはこんな感じだ。

 

勝ち気で好奇心旺盛な町医者の娘が、異国事情に通じる武士の子弟と知り合い、関わるうちに、みずからも学びに目覚めていきます。女性の地位が低く、子どもでも当然のように働いていた時代が描かれているので、今の子には新鮮に映るかもしれませんね。

 

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『このそらのずっとずっと向こう』(鳴海 風/ポプラ社

 

天才児にとっての中学受験『才能の見つけ方 天才の育て方 アメリカ ギフテッド教育最先端に学ぶ』(石角 友愛)

親が全くギフテッドに関して無知であった場合、悲しいことですが、子どもを「扱いにくい問題児」とみなしたまま一生を終えてしまうこともあるのです。(本文より)

 

ギフテッドとは簡単に言えば天才児だな。

尋常でないこだわりが彼らの多くにあり、

それが上手く活かせれば幸せにもなれる。

 

恵まれた能力を伸ばすためには、特性を

理解して環境整備する必要があるそうだ。

 

認知行動・整理整頓・人格形成に関わる

脳の部位はIQの高い子の方が普通より

4年も成熟が遅いってのは衝撃的だった。

 

このせいでギフテッドの多くは学校では

問題児と誤解され評価されにくいらしい。

 

アメリカと違って日本にはギフテッドに

特別な教育を施すシステムはほぼ無いな。

 

普通学級から外して、LDの子と一緒に

点つなぎさせてた例さえあるらしいしよ。

公教育一本だと伸びる機会を失いかねん。

 

中学受験は、浮きこぼれ出木杉君には

丁度いいギフテッド教育になるかもな?

 

著者は中学受験のちの字も言ってないが。

 

『才能の見つけ方 天才の育て方 アメリカ ギフテッド教育最先端に学ぶ』(石角 友愛/文藝春秋