中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

【二月の勝者】魔改造と、ゆる受験

二月の勝者 ―絶対合格の教室―(高瀬志帆/小学館) ボーイの学習面では俺はクソの役にも立ってないんだが、 ここ一年ほどの間にサピ偏が10近く上がったっぽいわ。 去年のSOでは平均点に届かず、志望校の判定は20% 近辺だったが、学校別SOではちゃん…

出題が予想される物語文『イカル荘へようこそ』(にしがき ようこ)

yukikaze.hateblo.jp 公立高校入試の頻出作家だが いくつか受賞歴もある先生だし ノーマークって訳にはいかねえな。 入試で使われそうな雰囲気があるって 8/21に書いた『イカル荘へようこそ』は 今日のサピックスオープンで出たらしいぞ。 この本も、『飛ぶ…

塾にはカネを落とさない聖光学院『塾・予備校特集』(週刊ダイヤモンド2021年9月25日号)

受験塾特集とは珍しいぜ! なかなか楽しませてもらった。 特に偏差値帯ごとの合格者リストは 塾ごとの受験生のボリュームゾーンが、 どのレベルなのかが一目瞭然でよかった! 中堅校以上の学校の塾別の合格者数3ヶ年分を まとめた資料も、どの塾がどの学校に…

引きこもり中2少女の覚醒『庭』(小手鞠 るい)

『庭』(小手鞠 るい/小学館) 心が病まないためには 「安全基地」が大事だって 専門家の意見が多いようだな? 変な訳語だが要は心が安らぐ場所 それが心の健康には必要ってことだ。 この本の主人公の少女は学校の人間関係で ボロボロに傷つき、ついに登校で…

さすがJG志望、兄貴もハンパない

グーグルアースより女子学院の空撮画像 学校別サピックスオープンの 帰りの電車で向かいに座ってた 兄妹にはアッとおどろかされたぜ。 女子学院 の解き直しを中3ぐらいの 兄貴が主導して仲良くやってんだもん。 電車おりるまでず~っと答え合わせして 解説…

村上しいこ作品あれこれ

『みつばちと少年』(村上しいこ/講談社) サピ学校別オープンに向かう電車の中 村上しいこの新作『みつばちと少年』を 読んでたら、息子がのぞき込んできて一言。 「その話知ってる」(息子)、「えっ?」(俺) 「合不合で出た」(息子)、「いつの!!」…

合不合の活用法は助かるな『プレジデントFamily 2021年春号』(プレジデント社)

名門校校長インタビューでは 麻布の先生の話が面白かったな。 「ニュートンはペスト流行で大学が 閉鎖され、郊外で思索の日々を過ごし、 万有引力の法則を発見したといわれてる。 キミたちにも今だからできることを追求して 欲しい」ってコロナ禍の中で周知…

すぐ役立つことは、すぐ役に立たなくなる『伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力』(橋本 武)

付け焼刃で詰め込んだ知識は、すぐに忘れて使い物にならなくなります。(本文より) 『伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力』(橋本 武/日本実業出版社) 灘で50年国語を教えた先生の本。 3年かけて一冊の本を読み解いていく スローリーディングの授…

中受親のメンタルワクチンだな

ったく、光文社の編集者は 俺に鼻血ブーさせる気かよっ。 朝比奈あすかに中学受験の小説を 出させるとかヤバ過ぎだろコイツは。 過熱する親の心情を余すところなく描いた っていう『翼の翼』は来週、9/22発売だとさ。 中学受験の沼にズブズブはまりこむ登場…

いきなりハードな『蝶の羽ばたき、その先へ』(森埜 こみち)

前作の『わたしの空と五・七・五』は 句会のシーンが鴎友学園で出たらしいな。 『蝶の羽ばたき、その先へ』は『飛ぶ教室』 60号の本の紹介コーナーに掲載された作品だ。 序盤から中盤までをまとめるとこんな感じだわ。 中学2年生になったばかりの主人公は突…

サピオープンより首都圏模試

『プレジデントFamily』のバックナンバー ”わが子を慶應に入れる”っていう特集記事に、 意外過ぎることが書いてあって驚いちまったわ。 首都模試は処理力を問う基礎的な問題が中心だから 大手進学塾の模試よりも慶應志望には向いてるんだと。 お勧めは統一合…

ハラハラ恋色素材『これはきみへの手紙』(佐々木 愛)

『飛ぶ教室』(66号)も 入試に出そうなのがあるな。 特に『これはきみへの手紙』は 佐々木愛の出題実績はないものの、 使いやすそうで、しかも読ませるぜ。 出題者の目に止まってもおかしくないわ。 軽~く要約してみると、こんな感じになるな。 主人公は中…

データで見る機会不均等『子ども格差の経済学』(橘木 俊詔)

『二月の勝者』で参考文献に 載ってたんで、手にしてみたわ。 保護者の年収と小6の子供の国・算の 成績が見事にリンクしてる図が衝撃的だ。 塾に通えるかどうかで、格差が受け継がれる。 教育投資を家計に依存するからこうなるのであり 支出は公費でまかな…

自力で学ぶ力のために『子どもの頭が良くなる読書法』(チェ・スンピル)

徹底的に読書の魅力を訴えかける 韓国のベストセラー本ってハナシだ。 「祖父の財力、父の無関心、母の情報力」 これがかの国における優等生の三条件らしい。 高額で優れた教育が優秀な子どもを育てるんだが 読解力がないとその効力は失われていくんだってよ…

豊作の60号、イチオシは『ひるやすみ係』(朝比奈 あすか)

中学入試にわりとよく出る 季刊文芸誌『飛ぶ教室』だが、 60号では朝比奈あすかに注目だ。 『君たちは今が世界』だけじゃなく 『人間タワー』も入試に使われてるし、 この作家は中学受験界隈では有名だよな。 『ひるやすみ係』は約10分で読める短編だ。 小5…

知らない話も結構あるで『旧名門校vs.新名門校』(矢野 耕平)

開成や桜蔭では勉強なんかやって当然。 出来不出来が対人関係にも影響しないし、 友人同士でわざわざ成績の話なんてしない。 な~んてことが書いてあってビックリしたわ。 ただ、勉強が出来なくても周囲がからかったり しないとはいえ、逆転合格しちまうとさ…