中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

出題されるかもしれない新刊本(2024年10月前後)

10月に出る新作はちょっと少な目かな。 以下のリストは大部分が未読ってことで たぶん出題向きじゃない本も混じってる。 10/9発売 ☆先行レビュー済☆ 『森と、母と、わたしの一週間』(八束 澄子) 疲弊した少女が自然の中で手にするもの。 10/9発売 『小鳥…

ネットリテラシー的にもアリ『オンライン・フレンズ@さくら』(神戸 遥真)

悪気のないその言葉に対し、わたしはどういう感情を持つのが正しいんだろう。(本文より) 8月に同時発売された作品の2つ目だよ。 前回@ユナを先に読むように勧めたけど 女子が読む場合は先にこちらでもOKだ。 浮き立つ少女の気持ちを描く書き出しは つ…

先に読むならコチラ『オンライン・フレンズ@ユナ』(神戸 遥真)

”友だち”なんてものは本当にあやふやで、すぐに形を変える。(本文より) たまに入試に出る作家の8月に同時発売 された2冊のうちの一冊を紹介してくよ。 ネット上の友だち関係を双方の視点から 描いたとってもユニークなストーリーだ。 @ユナと@さくらは…

くたびれ女子のリブート『森と、母と、わたしの一週間』(八束 澄子)

人生って不思議よねえ。なにがターニングポイントになるか、わからない。(本文より) たまに入試にでる作家の来月の新刊だよ。 発売日は約10日後の10/9の予定だ。 少女の成長物語の中に田舎の魅力が満載。 都会っ子の価値観を変えてくれるかもな。 森…

アレから一つ選ぶなら『今日も誰かの誕生日』(二宮 敦人)

ほどよい長さの短編が掲載されてるため わりと入試に使われる季刊児童文学雑誌 『飛ぶ教室』の作品を今年も見ていくよ。 昨年10月発売の75号から今年の7月 発売の78号までの4冊が今回の対象だ。 連載スタートした去年も紹介したんだが この1年に限…

暗闇に光を『灯』(乾 ルカ)

お金や恋人は離れていくかもしれないけど、身につけた知識や資格は、ひとりぼっちの無一文になったとしても決して離れていかないわ。(本文より) 先日放映された番組でSAPIX調べの 今年の中学入試に出た作家ランキングを 紹介してたんだが乾先生は第8…

へなちょこなんかじゃない!『常盤団地の魔人』(佐藤 厚志)

去年芥川賞を受賞した作家の7月の新作。 タイトルには魔人とあるがSFじゃない。 1・2年次に特別支援学級だった少年が 3年で普通級に移り波乱の日々を送る話。 描かれる団地ライフはかな~りユニーク。 悪ガキの剥き出しの危うさには驚くかも。 素材文…

世界情勢を血肉とする『あなたの国では』(小手鞠 るい)

本のページをめくりながら、磨きぬかれ、選びぬかれた言葉で書かれた文章を読むことでしか、得られない喜びがあります。(本文より) たまに入試に出る作家の6月の新作ですわ。 この先生って凄い多作だけど、どの本にも 必ず何らかの新しい気づきがあるんだ…

ゆくよ、家族はどこまでも『さやかの寿司』(森沢 明夫)

うちはね、お客さんの心を夕凪みたいに穏やかにする「心の安全地帯」でありたいの。(本文より) 開成で出題実績のある作家の来週出る本。 江戸前寿司屋を舞台にした家族小説だよ。 この先生って人情を描くのがうまいわ~。 読めばかならず心を持っていかれ…

旅の一座は舞いめぐる『風花、推してまいる!』(黒川 裕子)

座ってるだけでなぜか元気になる。行くだけで楽しいお祭りに似てる。(本文より) たまに入試に出る作家の先月発売の新作。 題名で女の子視点の話と間違えそうだが ふうかではなくかざばなと読むそうだわ。 その言葉の意味は偶然にも前回紹介した 安東みきえ…

何より大事にすべきこと『ワルイコいねが』(安東 みきえ)

転校生はみんなが机のまわりに集まっているうちがかんじんなのに・・・(本文より) たまに入試に出るベテラン作家の新作だ。 発売日はかなり先で11月末頃の見込み。 人に合わせるために自分に嘘をつく子と お構いなしに本当のことを言う転校生の ココロの…

友情を超えたキズナ『雫』(寺地 はるな)

正解か不正解かを決めるのは、選択したあとの自分の生きかただ。(本文より) 割と入試に出る作家の2ヶ月後に出る本。 2026年組は特に注目じゃないかな? 今月の日能研模試でもこの先生の作品が 使われたがそれ以上に素材文適性は高い。 物語は人生の岐…

平易でも深みのある『わたしと話したくないあの子』(朝比奈 蓉子)

生活環境が変わったからって、わたしたち自身はなんにも変わらないのに。(本文より) わりと入試にでる作家の3日後に出る本。 この著者では最も素材文適性が高い印象。 描かれるのは少女達の不幸なすれ違いだ。 子供自身のせいでない要因で苦しむ姿が おっ…

出題されるかもしれない新刊本(2024年9月前後)

今期の作問選書シーズンはほぼ終了だな。 もうじき2026年組向けに移行するよ。 9月の新作は末にかけてドカッと来るわ。 毎回言ってるように以下は大部分が未読。 出題向きじゃない本も混じってる想定だ。 9/4発売 ☆先行レビュー予定☆ 『わたしと話した…