中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2026-02-01から1ヶ月間の記事一覧

くつろげる空気感『日向丘中学校カウンセラー室 向こう側も卒業式』(まはら 三桃)

深い意識の底に他者とつながる一筋がきっとある。それを探すのが自分の仕事だ。(本文より) わりと入試で見る作家の12月の作品だ。 さすが心理のプロ!みたいなのじゃなく ゆるいの雰囲気を持ったカウンセラーが 学校で起こる様々な問題に関わるって話。 …

しなやかに、したたかに『リヒト!』(イノウエ ミホコ)

何が「まあね」だよ。中学受験のことなんて、何ひとつ知らないくせして。(本文より) 特進クラスの受験生男子がまさかの旅へ。 全て計画的に進めたい落ち着いた少年が 大の苦手だった無軌道な青年に連れられ 異国の地で驚きだらけの日々を過ごす話。 凝り固…

少女漫画のメガシンカ『うまれたての星』(大島 真寿美)

日本の豊かさはここまでたどり着いたのだ。その楽しさ、その贅沢さに、彼女たちは気づいているだろうか。(本文より) マンガづくりの思わぬ舞台裏に興味津々。 1970年前後の少女マンガ誌編集部の 熱気をつまびらかに描いたお仕事小説だ。 理想と現実の…

男の子も笑顔になれる『女の子がハッピーに生きるための3つのこと』(福木 はる)

そっちは好きで母子家庭やってるかもしれないけど、こっちはちがうんだよ。(本文より) これ卑怯っしょ、すごくいい意味で卑怯。 パンチの効いたキャラがドーンと登場し 一気にハートを引っ掴んでいくからさ~。 デビュー作で話題をさらった新人作家の 約2…

渇きを満たす慈しみ『サインポール』(大谷 美和子)

おとなは子どもを守るとは限らない。ある日、裏切るかもしれない。(本文より) まれに入試で見る作家の11月の作品だ。 運命にもてあそばれるようだった少女が 夏休みの大阪滞在で心を取り戻していく。 ざっくり紹介するとこんな感じの話だよ。 年上の少年…

哀しいまでに響く『叫び』(畠山 丑雄)

こん中だけはどの国も平和っちゅうのが、なんかええわ。(本文の万博会場パートより) オレごときには芥川賞作品は難解だった。 読み返すまで何が主人公を駆り立てるか あんまし掴み取れていなかったからよ~。 ただ、郷土史や日本の大陸での暴挙など 興味深…

想定外だっ!『フェンシング部の王子さま』(石川 宏千花)

たぶん、全力でなにかをやるってことを、おれはしてみたかったんだと思う。(本文より) フェンシング部にかっこいい先輩がいて 思わず入部して青春する話だと思った? ところがどっこいそう単純じゃないのよ。 意外性の塊のようなストーリーが楽しい 昨年1…

運命の鎖とともに『レテの汀』(雛倉 さりえ)

もしかしたら自分は、訊いてはならないことを訊いてしまったのかもしれない。そう思うと怖くなり、余計に言葉が止まらなくなった。(本文より) 来週木曜日に出る静謐さを湛えた小説だ。 早逝した天才画家の母に囚われる青年の 後ろ向きすぎる感情の変化が刺…

彼方へのメッセージ『ここにいるよ』(真山 仁)

普段、考えたこともない、生と死が、突然切実に身に迫る。(本文より) 能登の大災害を教育現場視点で描いた本。 東日本大震災の際に応援教師をした男が 能登半島地震で混乱した学校を立て直す。 一言でいえばこんなストーリーになるよ。 「臆病は最強!」や…

さらば閉塞感『教室のハルモニア』(辻 みゆき)

四方を取り囲まれた、このスペース。ここに押し込められると、知らず知らずのうちに、スクールカーストのどこかに振り分けられてしまう。(本文より) シリーズ物に熱狂的ファンが少なくない 辻みゆき先生の12月に出たYA作品だ。 近未来のありふれた中学…

幸せってなんだろう『ぬすびと』(寺地 はるな)

「どうしても気持ちが明るくならない時、あなたはどうしてるの?」(本文より) 入試でおなじみの著者の来月の新刊だよ。 今作は45歳女性視点のストーリーだが 25歳パートもかなりの部分を占めてる。 生活にも汲々としてる主人公の存在感が 物語が進むに…

台風少女、見参!『わたしはシュシュ やりたいことしか、やっちゃだめ』(黒川 裕子)

この世には競争や順位なんて蹴っとばしてしまう人間がいる。(本文より) 本好きじゃない子にも推せる一冊だわ~。 コレ読み始めたら少しも止まれないだろ。 型にはまらないどころか全部ぶっこわす 誰よりも気ままな少女が闊歩する物語だ。 そのパワーはもは…

ミッションは総力で『うちのクラスに日本代表』(吉野 万理子)

最初って、楽しいのがいちばん大事だろ?(本文より) ラストが近づくほどにワクワクが高まる あと半月ほどで発売予定のアンソロジー。 短編小学校は作品ごとに話が独立してて どの巻から読んでもまったく問題はない。 前作が慶應中等部で使われたばかりだし…

未来を支えてくれるお守り『中学へ旅立つ君へ:13歳からの一番大切なこと』(おおた としまさ)

試行錯誤って時間がかかるけど、決して無駄じゃありません。むしろ自分で試行錯誤したものしか本当の意味では身につかないから。(本文より) あと5日ほどで発売される人生応援作品。 これって中学入試がひと段落つく時期に 狙いすましたように合わせてきた…

戦慄の扉『彼女たちは楽園で遊ぶ』(町田 そのこ)

たった数日で、町の雰囲気は様変わりしてしまった。(本文より) さ~て、あと9時間ほどで東京入試だな。 それぞれの健闘を陰ながら祈っているよ。 本作は町田その子先生の10月の作品だ。 びっくりするような新境地になっている。 メッセージ性って点では…