頻出作家ではないが、たまに出てくるのが高楼方子(たかどのほうこ)だ。
1・2年生の頃、へんてこもりシリーズあたりを読んだ子もいるだろうな。
この作者の高学年向け作品はわりと少女趣味の香りがするぜ。
そのせいだか知らんが女子校での出題が多かったようだ。
『十一月の扉』は中2の秋にいきなり転校が決まった女の子が、
親に頼み込んで冬休みまでの間、一人暮らしさせてもらうって物語だ。
ささくれ立ってイライラ気味だった主人公は、はじめのうち
このままじゃ皮肉屋になっちまう、イヤダ、とか悩むんだが、
自由と優しさにあふれた下宿屋での暮らしの中で、心が洗われてくんだわ。
主人公の恋の行方にも注目だな。
この心情には、恥ずかしながら、俺も心を打たれちまったぜ!
どうせここでの生活はひととき。わかってる。だから、好きになるのはいやだったのに。(本文より)
ただ、この本は普通の小6に読めるかどうかは微妙な難易度だ。
中学生なら2時間半程度でいけると思うが。