中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

出題が予想される物語文 『無限の中心で』(まはら 三桃)

これは6月発売、今年の入試に出てもおかしくないわな。

主人公は私立校に通う高2女子で、数学オリンピックを扱うが、

小難しい話はないので、中学受験するような子なら読めるレベルだ。

 

数学嫌いの主人公が取材のために足を踏み入れた先は数学研究部。

変人ぞろいの部員たちを“喜ばせる“誰かのいたずらの犯人に

主人公は心当たりがあった、ってところが導入部分だ。

 

高校が舞台で数学が題材なら中学入試に出にくいかというとそうでもない。

たとえば、以下のくだりは主人公の小学校時代の回想シーンなんだが、

狙われやすい心情のうつろいがあるんで少し要約するぜ。

 

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『無限の中心で』(まはら 三桃/講談社

小3の頃の主人公は、となりの席の子が親戚だということを学校で隠していた。変人と知り合いだと思われたくなかったから。

友達に「いとこ同士ってほんと?」と聞かれても首を振る彼女。罪悪感から逃れるように読書にのめり込む日々を過ごす。

しかしある日、怖い先生がいとこの答案を「カンニングをしてるだろう!」と決めつけたとき、彼女は勇気をふりしぼって声を上げようとした。

(以上、本文p158~163を要約)

 

こういうちょっとした事件のシーンってのは出題の定番だろ?

他にも主人公が新聞部長と対決するシーンや、いとことの再会シーンにも

出題されそうな要素があると感じたな。

 

前回も書いた通り、まはら三桃は頻出作家なんで、

気になるようならチェックしてみてくれや。