児童書だが青年が主人公で会社が舞台だ。
組織内部の対立なんかは少し難しいかもな。
とはいえ、まはら三桃の新作は見過ごせねー。
今年の出題作家ランキングからは外れているが
引続き注目の先生であることに変わりないからよ。
この本はノンフィクション風のフィクションだ。
戦後の混乱期に国鉄の研究所に入った青年が
新幹線開発に情熱を傾けるって筋書きだぜ。
職場では軍の出身者と古参の技術者が、
当初対立するんだが、やがて力を合わせる。
“世界を驚かす平和な乗り物”を作るためにな。
技術優先の軍の出身者と安全優先の鉄道マンを
結びつけていく熱意と使命感に注目して欲しいぜ。
作中には受験生にピッタリな言葉なんかもあったぞ。
本気の人間にしか常識は破れない。(本文より)