「居所不明児童」って言葉は初耳だったぜ。
おもにに“大人の事情”で行方をくらませていて、
行政が居所を把握できない子のことを言うらしい。
当然まともな教育や医療など受けられないことになる。
貧困や暴力と深いかかわりのあるパターンが多いようだ。
全国だと何百、何千人って数になるっつうから驚きだよな?
この本の主人公は忙しい母と団地で暮らす普通の女の子。
生活は楽でないけど、元気にバレーボールに打ち込む、
そんな彼女が下の階に少女がいるのに気づくんだ。
学校に行かずひっそりと暮らす謎の少女は、
のちに命の危機にさらされることになる。
中受するような恵まれてる子は想像もしない
社会のすそ野の大きさ実感させてくれる本だぜ。
灘 とか 慶應湘南藤沢 なんかでも似た系統の作品を
出してきたから、『団地のコトリ』も要チェックかもな?
八束澄子は近年そこそこ出題されてきた作家でもあるからよ。
終盤のこんな言葉は、きっとそのまんま受験生に贈りたくなるぜ?
勉強は明日の自分へのプレゼントだ。だれのためでもなく、明日を生きる自分の糧となるのだ。(本文より)