中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

コレガKO、マジデスカ?『グロテスク』(桐野 夏生)

私が狙っていたのは、頭の悪いユリコなんかが絶対に行けそうもない偏差値の高い学校でした。(本文より)

 

『中学受験の失敗学』 で慶應中高のドロドロした人間関係を

描いてるとか紹介されてたんで、チェックしてみたわけなんだが、

『グロテスク』にある内部事情ってのは、どこまで合ってんのかね?

 

まぁ、小説として面白くもあったんで、ちょっとばかし要約してみるわ。

 

化け物じみた美貌の妹から離れたい一心で猛勉強し、祖父の元に身を寄せながら学校に通うことにした主人公。彼女の夢見た学園生活は、内部生との圧倒的な格差を目の当りにすることで、いとも簡単に打ち砕かれたのであった。

そこは主流と傍流がはっきりと区別された世界。嫌らしいほどの階級社会。これまで培ってきた努力と勤勉という価値観が通用しないその場所で、そこそこ裕福な家庭で優等生として育ってきたと自負する少女も屈辱を味わうことになる。

(以上、第二章までの学校について描かれた部分を要約)

 

入学式で、内部生を目にした外部生たちがあっけに取られる部分や、

テストの結果に呆然とするシーンが見てきたように描写されてて、

中のことを知らない俺なんかには、超リアルに感じられたぜ。

 

しっかし、サラリーマンの子どもは傍流とかいうのは、

ちょっと怖いんだが、そんな世界があるんかねぇ?

 

ちなみに、この小説は子どもに見せられる

内容じゃないし入試には多分出ないぞ。

 

f:id:yuki-to-kaze:20210429215335j:plain

『グロテスク』(桐野 夏生/文芸春秋