中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

頭角を現せ、受験生!『金の角持つ子どもたち』(藤岡 陽子)

いま受験生の親たちに話題の中受小説だ。

 

この藤岡陽子って作家は、品川女子学院 とか

横浜雙葉 の入試なんかでも出題実績があるから

この新作も読んでおく価値はあるんじゃねーかな。

 

サッカー一筋だった少年が受験勉強に打ち込みだして、

いい意味で周囲を巻き込みながら成長してくって話だぜ。

 

全体では三章構成だが、各章のまとめは以下のような感じだ。

 

【第一章】もう一度、ヨーイドン

もうすぐ6年生になる子を持つ母が主人公。家庭の事情で思うように生きられなかった過去を持つ彼女が、苦しい家計を助け、第三者の力も借りながら、難関中学に挑戦したいという息子の夢を応援するために奔走します。

【第二章】自分史上最高の夏

受験生の少年が主人公。人よりも努力してメキメキと頭角をあらわしていく彼が、都内トップの中学を目指すことを決意した本当の理由を明かします。

【第三章】金の角持つ子どもたち

少年が通う塾の熱血講師が主人公。かつて自分の弟を助けられなかったことを悔いる彼は、子どもたちに己を信じる力を持ってほしいと願い、勉強という生き抜くための武器を授けることに心血を注ぎます。

(以上、各章のさわりを要約)

 

恥ずかしながら、久々に胸が熱くなる読書体験が出来たわ。

受験にかかわる人なら誰でも共感できる部分があるだろ。

基本、図書館派なんだがこの本は買って正解だったぜ。

 

少年や彼の母の頑張りが特に素晴らしいわけだが

父の変わりようにも注目してほしいところだ。

 

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『金の角持つ子どもたち』(藤岡 陽子/集英社

 

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