中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

特別な思い入れのある作品『時計坂の家』(高楼 方子)

『時計坂の家』は去年の野間児童文芸賞

受賞した高楼方子のちょっと古い作品だわ。

 

俺にとっては児童書にのめり込むきっかけ

になった特別な思い入れのある本でもある。

 

出題実績は東洋英和清泉であるようだな。

 

後半部分にちょっと難解な箇所があるんで

息子にはまだ早いかと思ってたが、秋以降

読書レベルが急上昇したんで渡してみたぜ。

 

そしたら、しっかりのめり込んでくれたわ。

 

自分のお気に入りの本を、子どもが読んで

好きになってくれるのって嬉しいもんだな。

 

実際このときを今か今かと待ってたからよ。

 

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『時計坂の家』(高楼 方子/リブリオ出版)

 

俺のレビュー 1回目(読書メーター

主人公は夢見がちな12歳の少女。素敵なことが起こるのを心待ちにしていた彼女が、奇妙な魅力に満ちたいとこに招かれた街で、一生の思い出に残るような不思議な体験をします。乱れ舞う謎の数々、壊れたはずの時計塔の仕掛け、姿を変える懐中時計、祖母の失踪、奇術師の顔も持つロシア人時計師、記憶喪失の住み込み家政婦、それらが全て繋がっていく終盤には、思わずページをめくる手が止まってしまいました。もう物語が終わってしまう。いやだ。もっと浸っていたい。そんな気にさせられたのは初めてのことです。

 

俺のレビュー 2回目(読書メーター

”このうえなく魅惑的な何かが、この庭に潜んでいる”夏休みに訪れた祖父の家で、小6の少女がまばゆい別世界への扉を見つけます。不安に襲われた彼女を励まし、秘密に迫る手助けをしたのは、好奇心溢れる年上の少年でした。”私なんて脇役キャラ”と決めてかかっていた少女の心の中に、物語の鍵となる特別に強い想いがあったという展開には痺れましたね。聞き上手な少年もいい役どころ。抱えきれずにいた秘密を打ち明けると、自分と同等以上の驚きと興味で受け止められるというのは、やはり相当な救いになるのですね。

 

長男の読書備忘メモ(正月特訓期間)

『卒業ホームラン』(重松 清)

『まゆみのマーチ』(重松 清)

『ドキュメント』(湊 かなえ)

『よろこびの歌』(宮下 奈都)

『青ノ果テ 花巻農芸高校地学部の夏』(伊与原 新)

『ランナー』(あさの あつこ)

『世界とキレル』(佐藤 まどか)

『十二歳』(椰月 美智子)

『時計坂の家』(高楼 方子)