中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

クネクネ踊るわけじゃない『スネークダンス』(佐藤 まどか)

なーに言ってやがる。それよりさ、将来まわりにだれか苦しんでるやつがいたら、力になってやれよ。そうやって世の中はまわってるんだよ。(本文より)

 

海外在住で芸術への造詣が深い作家の新作。

『一〇五度』『アドリブ』など出題実績は

それなりにあるんで、スルーはできないな

 

ローマ生まれの日本人の少年が急遽日本で

暮らすことになるってストーリーなんだが

アートや建築が深くかかわってくるんだわ。

 

下町の中学に編入する主人公は初めのうち

目立たず無難に生きようって決めているが

とある出会いでいつしか熱を帯びていくぜ。

 

タイトルと表紙でダンス本と勘違いしたが、

スネークダンスは建築技術の呼称だってよ。

 

【意外で興味深かったネタ3選】

コロシアムに水を敷き、船を浮かべ、模擬海戦をするさまにもローマの人々は熱狂していた。また、コロシアムには当時、ドームのような可動式の天幕が張られていた。

パンテオン神殿では毎年8月に日本の原爆忌の式典が行われる。遠く離れたイタリアの地で長崎や広島の犠牲者への追悼と平和のために祈ってくれる人々がたくさんいる。

法隆寺五重塔は木造一階建てに五層の屋根を重ねた構造。そこに用いられる心柱の耐震構造は地震大国ならではの画期的な発明でありスカイツリーにも応用されている。

 

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『スネークダンス』(佐藤 まどか/小学館