もう俺、小学三年生だよ。可能性がないこと願ってるより、この身長で生きていく方法を考えないとさ。(本文より)
中編2本、短編1本という構成の作品集だ。
頻出作家の最新作でしかも出題しやすそう。
ラストの短編『花曇りの向こう』もいいが
表題作『夏の体温』には特に注目したいな。
経過観察のため長く入院生活を続ける子が
ストレスでちょっとした悪事に手を染める。
それを見抜いた友人は・・?って筋書きだ。
毎度のことだが俺のレビューの一部は以下。
病院での生活に飽き飽きしていた小3男子が、検査入院でやってきた快活な少年と思いっきり遊ぶことで意欲を取り戻します。病気を笑い飛ばす“不幸仲間は”嵐のように去っていきますが、彼のささやかな置き土産が少年の心の澱みまで洗い流してくれるのでした。