こんな山、どうってことないって思ってたのに・・・・・こんなことになるなんて。(本文より)
安田夏菜先生の先月発売された新作だよ。
現実に折り合いをつけることに悩んでた
3人の女子高生が山で絶体絶命に陥る話。
追い込まれた彼女たちがどう変わるかが
この作品のいちばんの見どころだろうな。
終盤にかけてはもう圧巻というしかない。
友のため動く決意、メソメソからの脱却、
確固たる意志への目覚めなどが響く響く。
手厳しいことでもズケズケと言ってくる
教師の根っこに透ける優しさもいいわ~。
弱さを受け入れてこそ強くなれるという
言葉には普遍的な価値があると感じたよ。
勉強だって何だって、自分の至らなさを
自覚することがスタートラインだもんな。
ただのパニック小説ではないこの作品に
俺が書いたレビューはこんな感じですわ。
生への渇望がこれほどダイレクトに
響いてくる作品、ないでしょ?
主人公は3人の高1女子。
人には言えないものを抱える彼らが
日帰りのつもりで訪れた夏山で
思わぬ事態に見舞われる物語です。
何が起こるかドキドキしっぱなしで
ページをめくるのが止まらない
というのは中盤まで。
終盤には心を落ち着かせるために
休み休みしながらかじりつくことに
なりました。
極限状態の泣きっ面に
次々に降りかかるトラブル、
無慈悲な風雨、そして乱れる足並み。
途中「もうやめてぇ!」って
何度感じたことか。
彼女たちは度重なるピンチに
何を思うのか?
限界を超えた先に何を知るのか?
ぜひとも体感してみてください。
山でやってはいけないことや、
こうしたらよかったのにという事例が
何パターンも出てくるので、
サバイバル教本にもなりそうですよ。
ほんとうに追い込まれたとき、人って強くなれるのかも。(本文より)