割と入試で見る作家の8月に出る新作だ。
近年のこの先生の作品の中では多分最強。
中1女子の困惑に満ちた新生活ってのに
引き込まれ、家族の気持ちの移ろいには
もう完全にノックアウトされちまったよ。
テーマも文章難易度も素材にピッタリで、
それでいて面白さって点でもバッチシだ。
作問選書シーズン終盤の発売ではあるが
これは選んでほしいとオレは感じたわ~。
同い年の少女との物理的・心理的な壁が
なくなる場面や母に感情をぶつける場面
などなど素材によさげなシーンは多めだ。
脇役だけど、まっすぐで偏見を持たない
主人公の友人の立ち回りもナイスだった。
変わった家族のカタチに触れられる本作。
いちおう俺のレビュー全文を貼っとくよ。
いきなりの古民家ぐらし?
しかもよくわからない人たちと一緒に?
子どもの事情などおかまいなしに
みえた大人たちの決断の裏には、
底抜けの気遣いがあふれていました。
主人公は母子家庭の中学一年生です。
二家族の共同生活という急展開に
戸惑う彼女の前に現れたのは、
絶対に関わり合いたくない学校の問題児。
女だらけ、トラブルだらけの
非日常な日常の先に見えてきたのは、
最初のイメージとは違った
それぞれの意外な一面でした。
血のつながりを超えた優しさに
癒される作品ですね。
感情を出さない少女がほんのり気持ちを
表わす場面に頬が緩み、激する場面には
手放しで揺さぶられました。
沁みすぎる!
とくに心の壁と部屋の仕切りが
いっしょに取っ払われる場面。
そして、お互いがいてくれてよかったと
思い合える瞬間。
これには本当にやられた!
なんってあったかいんだろう・・・
主人公と最悪の同居人の関係は
どのように移り変わってゆくのか?
突然はじまった共同生活の
本当の理由とは何なのか?
ぜひ、楽しみにしていてください。