『八月の御所グラウンド』が頻出だった
万城目学先生の6月に発売された続編だ。
前作は1月の直木賞受賞効果が残るので
引続き要チェックということになりそう。
今作は不思議&ミステリ色が濃いぃので
素材文適性っていう面での注目度は低め。
ただ、登場人物の魅力はもんのすごいよ。
主人公の高校教師仲間の個性はその一例。
歴史こぼれ話にも惹かれるものがあった。
本能寺の変の渦中に黒人男性がいたとか。
難易度は難しいに分類されるこの作品に、
俺が書いたレビューの前半パートがこれ。
短編『三月の局騒ぎ』は、奇妙なしきたりのある女子寮に住むことになった大学生の人生を変えた経験。
中編の表題作は、歴史好き高校女教師が突如巻き込まれる日本史上最大の謎。
どちらも不思議要素が濃い目ですが、鮮やかな場面転換にいささか面食らう後者より、平安の香りたちこめる前者のほうが好みでした。
何より語り手から伝わる書くことへのよろこびが、記憶の蓋を弾き飛ばす勢いでどっと溢れ返ったのだ。(本文より)