中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

オトナの恋の物語『人魚が逃げた』(青山 美智子)

本当にやりたいことを見つけ、育て、その手につかんだ我が子を、自由にさせるのが親の務めなのではないか。(本文より)

 

例によって話がリンクしあう連作短編集。

 

先月のテレビ番組で、これまでの著作の

すべてが中学入試の素材に採用された

紹介された先生の1ヶ月後に出る本だよ。

 

たぶん作問者にもファンが多いんだろう。

となりゃあ注目しないわけにいかないな。

 

銀座の街に現れたミステリアスな青年が

脇役ながら面白い役割を演じる作品だよ。

 

テーマ注目度、素材文適性はともに〇印。

大人向け作品のわりには読みやすだろう。

子どもに見せられないシーンもなかった。

 

届くべき人のところに、届くべきものが

届きますように、という著者のねがいは

間違いなく現実になっていく気がするよ。

 

以下は出版社に送ったレビューの中盤だ。

 

これまでの作品にくらべ恋色が強めですね。

主要キャラの関係性は、恋人や夫婦、あるいは親子など。

それぞれにままならない思いを抱える主人公たちが、銀座の人魚騒動にかかわるなかで、何ものにもかえがたい気づきを手にしていきます。

 

思わぬ背景が明かされて物語が縦横無尽に躍動する5章の魅力が凄い!

1章の伏線がババババッと回収される妙技に息をのみましたよ。


なんて素敵すぎる奇跡。

とろけるような巡り合わせ。


夢が現実になっていく浮遊感が脳へダイレクトに響きわたりました。


恋愛や家族愛が柱となる作品ですが、それだけで終わらないところもいいですね。

この作品がくれるひらめきは、人生のあらゆるシーンで活きてくるんじゃないかな?

 

勇気をくれる一冊(11/14発売予定)

 

あなたが書いた一行で人生が変わる人がいるかもしれない。(本文より)