中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

きらめく青さは流麗に『春のほとりで』(君嶋 彼方)

自分の本心から好きなものが理解され共感されるのが、こんなに嬉しいなんて知らなかった。(本文より)


物語が予想外の方向に進んだりするとよ、

オォ!って驚かされることになるよな?


ただし、思わぬ展開に行く際に説得力が

足りないと読者は取り残されちまうわな。


これって多分よほど技量がないと難しい。


今作はアオハルの意外性を流れるように

描き上げて読者を引き込む連作短編集だ。


8月21日発売なんであんまし作問者の

目に触れていないかも知れないんだけど

わりと使いどころのありそうな作品だよ。


『真白のまぼろし』・・・素材文適性〇

孤独に漫画家を目指す少女のめぐりあい。


『青とは限らない』・・・素材文適性〇

無二の親友が男子だというだけで騒動が。


他にもよさげな短編があってホクホクよ。


ただし、短編『レッドシンドローム』は

きわどすぎて小学生に見せられない感じ


文章難易度的にはやや難といったところ。

俺のレビュー全文バージョンは以下だよ。

 

甘酸っぺ!

予定調和とは違うシナリオに痺れましたよ~。

 

共学の高校を舞台に多彩な青春が躍動する連作短編集です。

 

まっすぐな熱意や純粋な想いから、歪んだ嫉妬心や不安の暴走まで、さまざまな感情が青々と勢いよく乱舞します。

 

過去に縛られすぎる少女や、夢にすがりつく少女の話もよかったのですが、男女の友情を描く最終話が特に素晴らしかったです。

頼りない少年の見せる気概も少女の思い切った行動も刺さり過ぎて、もうメロメロに。

 

最後にはさらなる仕掛けが発動するとか、どんだけ凄いんですか!

 

『春のほとりで』感想・レビュー

 

高校生の今がほとばしる連作短編集(2024/8発売)