人に助けを求めることを恥じらってはいけないと思うんだ。(本文より)
児童書コーナーにある著書とは一味違う
昨年10月に出た大人の恋愛小説ですわ。
不勉強な俺は作者の道徳色の濃い本しか
知らなかったんだがこの路線もいいな~。
不遇な主人公への共感がもう止まらない。
素敵な街や人との出会いがいやしになり
彼女を変えていくストーリーに釘付けだ。
この作品、国語素材としても面白いかも。
主人公が新天地で中学の国語教師になり
子供達と向き合うシーンなんてどうだろ。
家族の介護をする生徒と出会う2章とか
詩の授業で生徒が気づきをくれる4章は
特に素材文適性がありそうな印象ですわ。
恋愛小説だが子供NGパートの無い本作。
またマイレビューをドカッと付けとくよ。
読者を幸せ路線へ導いてくれる作品ですね。
重すぎる過去に縛られ、前に進めなくなっていた女が、くつろぎと優しさに溢れる男と出会い、日々を重ねる中で、自身を解放する喜びに目覚めていきます。
幸福になるためには、誰と心を通わせるかはもちろんのこと、それを受け止められる心の持ちようも欠かせないのだと気づかされました。
そのためにも、時おり自身を含めた身のまわりを俯瞰するような意識を持つことが大事なのかな?と思いましたよ。
重要シーンでみせる主人公の国語教師としての矜持も素晴らしかったな~。
この教師パートでは、読書感想文の書き方なども参考になりました。
だるころの聖地にして、私の憧れの街、王寺町が舞台になっていたのにはビックリ!
あの辺りの地域の魅力がこんなに描き込まれている作品って、そうそうないでしょう?
テーマの一つである「子どもが家庭の重責を担う弊害」について掘り下げている部分には、じっくり考えさせられました。
大切な大切なテーマたちが流麗な文体で描き込まれた芸術作品。
大人から子供まであらゆる層に薦めたくなる一冊でしたよ。
これは出たばかりの『晴れ、ときどき雪』も、読むしかない!
人間はね、反省したり、悔んだりしているだけでは、成長できない。(本文より)