小さいな塾だったからか、そこで一緒に中学受験をした友達数人との関係は十年以上経った今も続いている。(本文より、弟エピソード)
たまに入試で見る作家の芥川賞候補作だ。
発売日まであと半月という最新作になる。
かなしみで心が曇り切っていた主人公が、
晴れわたる人に出会い変化の糸口を掴む。
ヒトコトで言っちまうとこんな物語だよ。
偏屈に見られてる女性の内面のゆらぎが
深いところまで描かれてるところがイイ。
腫れ物に触るような周囲の扱いの行方も
物語に引っ張り込む絶妙なスパイスだよ。
文章難易度は難しいゆえ正直敷居は高め。
以下はオレの先行レビューの全文になる。
自分を変えたい人や、誰かに変わってほしいと願う人に薦めてみたくなる一冊ですね。
主人公は自他ともに変わり者と認める新人作家。
自分の世界のすべてだった叔母を喪い、囚われすぎていた彼女が、思わぬ巡り合わせに心を動かされてゆく物語です。
いなくなった後にも威力を発揮する叔母の仕掛けの数々。
小気味好いですね~。
読むほどにスカッとしましたよ。
しかも、どこか偏屈な主人公のキャラも振り切れたあの子の自由さも、危なっかしくって目が離せない!
一番楽しかったのは結婚式で弟と並び歩くシーンですね。
湧きたつ会場の空気さえ感じられました。
とことん内向きな性格と全く違う個性の化学反応が楽しい芸術作品。
じんわり余韻を残し、たっぷり浸れるラストでしたよ。
これはまだ先があるって、信じていいんですよね?
ね?
死者が生者に伝えうるのは、「生きよ」という願いだけなのだろうか。(本文より)