おまえが今絶望しきっているほどには、世の中はそんなに酷くはないから。(本文より)
稀に入試でみる部活小説で有名な著者の
昨年10月に発売されたアンソロジーだ。
青春×SF短編集と謳ってるけど最初の話
『零れたブルースプリング』はSFナシ。
病院に入院中の6年生が飛ばした風船が
数奇な運命を手繰り寄せ未来を変えるよ。
大人になれるかわからない子どもたちの
院内学級の日々に心を奪われまくったな。
これは素材文適性がありそうな話だった。
2話目はちょっと小学生に見せられない。
あまりにも生々しい描写があったもんで。
2~3話目はSF設定が少し難しいかも。
素材向きじゃないが最終話には参ったわ。
短編『ハスキーボイスでまた呼んで』だ。
対照的な二人のキャラが面白過ぎてよ~、
もう、夢中でページをめくってめくって、
終わったあとにも余韻にひたりまくった。
他にも、苦悩する息子に父親が大丈夫と
思えないかも知れないが、生き延びてと
願う話なんかもあってしみじみしたわ~。
文章難易度は例の分類だとやや難レベル。
俺の感想の類を以下に少し持ってきたよ。
型破りな楽しさが癖になりそう。
最初の話は、思わぬ縁がつなげた入院中の小学6年生と中学3年生の文通。
その微笑ましいのたうちまわりっぷりったら!
ちょっとした秘密が時間とともに膨らんでいくさまに、見事に引っ張り込まれましたよ。
面白さは最終話がまさに神。
ヤンキー女の荒々しい魅力と真面目男の底知れない愛情には、共感の針が振り切れるほど。
二人の幸せを願い、その行く末をいつまでも味わっていたいとさえ思わせてくれましたよ。
SFってジャンル、それほど好きじゃなかったのに。

偉くなんなくても、勉強できなくてもいい。悪いことだけはするんじゃないっていつも言ってるだろ!(本文より)