自分を愛していない人間が、他人に愛を与えられるわけがないんです。(本文より)
誰もが知っている文豪の名作が出てくる
2023年12月に発売された作品だよ。
少年たちの卒塾旅行のエピソードの中に
子どもに見せたくないパートがあるので
ここでは紹介してこなかったが、面白い。
何でも見通すようで抜けている若女将と、
文豪の意外なエピソードが楽しい作品だ。
例の難易度分類では難しいに入るレベル。
以下は昨年5月に書いたレビューの全文。
本当の気持ちを大事にしていい。
そう優しく語りかけてくる短編集でした。
舞台は戦前の本ばかりを収めた文庫を持つ老舗旅館。
しっとりとした若女将が、人生に迷う旅人におあつらえ向きの本を薦めて、さりげなく彼らが進んでゆくための後押しをします。
あえて余韻を残す『一冊目』の終わり方、好きですね。
“真相は藪の中”は犯人がわからない小説『藪の中』が語源だとか、かつては著者検印が本に捺されていたなど、興味深いネタもちらほら。
この本のおかげで、私もあの文豪たちの名作に触れてみたくなりましたよ。

信じてほしければ、まずは自分から信じなくちゃ。(本文より)