でも、現実に、目の前に、夜間の保育を必要としている家族がいます。その親子を切り捨てていいんでしょうか。(本文より)
入試頻出作家の5月下旬発売予定の本だ。
夜間保育園が舞台という珍しい作品だよ。
おそらく中学受験するような子たちには
想像することが難しい環境が描かれてる。
生死にかかわる限界の親子も出てくるし。
こういった試される感のあるテーマって
名門校で特に好まれるような気がするな。
培った能力を自分だけでなく広く社会に
役立ててほしいって理念ならなおさらだ。
素材文適性は保育園の方針が如実に出る
前半パートの2箇所がかなり高そうかな。
それに続くのが中学受験生が関わる中盤。
少しありそうなのが終盤の修羅場だとか
著者の祈りが込められたラストにかけて。
物語の吸引力は後半のビックリ事態から
急上昇してラストまで疾走するイメージ。
面白さと学びを両立させた凄い作品だよ。
難易度は例の4段階評価でやや難に該当。
自分めのレビューはかようになり申した。
支え合う気持ちを呼び起こす物語。
気高い意識のもとで運営される夜間保育園を舞台に、学生っぽさが抜けない青年保育士や、頼られるベテラン、情の厚い園長先生らが躍動します。
お迎えは深夜2時まで、時には朝まででも受け入れる施設はどこか特別。
けれど、一人ひとりの園児はやはり、当たり前に愛情を欲するちいさな存在ですね。
元気いっぱいだったり涙に溺れるような姿に触れて、彼らの明るい未来を願わずにいられませんでしたよ。
とくに面白かったのは、若々しさが微笑ましくもあるやんちゃ保育士が関わるエピソード。
現代っ子らしい感情の漏れ方や、挫けそうになる性分もありますが、だからこそ彼の成長するさまは愉快で、嬉しく感じられたんです。
少し大人向けの本という印象ですが、ターゲット層を上げてみても驚くほど読みやすいのはいとうみく先生ならでは。
そして、本作でもやはり社会問題に切り込むような深みがありました。
夜間保育への偏見や批判など百も承知。
それでもどこかで困窮し、立ち尽くす親子がいる事実がある。
現実を直視しろ。
綺麗ごとで助けられない命がある。
心を揺さぶりつつ、そう訴えかけてくるストーリーに背筋がピンと伸びる思いでした。
人々の意識に新たな風を吹き込む力作。
あらゆる気遣いの中に、揺るぎない信念がにじみ出る代表の生き様にも、ぜひ注目してください。

うちの方針に合わないからお帰り下さいっていうことはできないし、しちゃいけない。保護者はお客さんじゃなくて、子どもを育てるうえでの対等なパートナーだと思うの。(本文より)