中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

受験界を吹き抜ける『教場の風』(安孫子 正浩)

「どちらでも参ります」といいながら願ったのは、ただ中学受験クラスを担当させてほしい、ということだけだ。(本文より)

 

12月に発売された中学受験小説だけど

中受界隈では話題になってないようだな。

 

大藪春彦新人賞作家にして現役塾講師

描き上げたという触れ込みのストーリー。

 

正直な感想をいうと掴みがちょっと弱い。

 

が、しかし二章のトラブルで引き込んで

志望校が問題になる中盤でも魅力が増す。

 

最高だったのは夏合宿を描いた辺りだよ。

スロースタートな作品だけど8章は必見。

 

受験本番の9章も、もちろん見逃せない。

 

ちょっと見つけにくい作品ではあるけど

素材文適性はなきにしもあらずって印象。

全9章だがこの点でも後半に偏ってそう。

 

問題文にいいかもしれない場面の例

7章△校舎トップ男子のトラブルの顛末

8章△合宿の夜、同僚と語り合うシーン

8章〇合宿の朝、迷える少年に働きかけ

 

キャラ的には校舎の女子トップの生徒が

なかなか異彩を放っていて面白かったよ。

 

難易度の面では難しいって分類だろうな。

俺のレビューをまとめたのが以下の文章。

 

困難に立ち向かう勇気をくれる作品。

子どもの力を信じて挑戦を後押ししたり、見守ったりすることの素晴らしさを、心ゆくまで堪能できました。

 

主人公は中学受験塾の若い講師。

偉大な前任者の後を継いだ彼が、迷える子どもたちと真摯に向き合い、奮い立たせ、自身の迷いも断ち切っていきます。

 

後半にかけて面白さがグングン加速しますね。

特に夏合宿からの展開には読んでるこちらもヒートアップ!

 

誰もが認める”理想の先生”の言葉には、多くの学びや気づきがありました。

 

主人公自身の中学受験回想シーンにもリアリティがたっぷり。

これはおそらく現役講師の著者じゃないと描けないストーリーでしょう。

 

たぎるような言葉の数々は受験生のハートを射抜くかも?

 

『教場の風』感想・レビュー

 

尻上がりに良くなる(2024/12発売)

 

自分がいいたいのは、生徒に好かれようとか、いい人だと思われようとして、正しい判断ができなくなっては、ならないということです。(本文より)