中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

守る者の気概『イズミ』(小手鞠 るい)

私たちは、単なる白衣の天使ではなかった。戦場に咲く花ではなかった。(本文より)

 

たまに入試にでる作家の1月発売の本だ。

 

第一次世界大戦の折に国の威信を賭けて

欧州へ派遣された医療チームの看護師と

それを描く作家の視点で書かれているよ。

 

いや~、戦時は病院も戦場さながらだな

たとえ凄惨でも目をそらしちゃいけない。

きっちり向き合う必要があると感じたわ。

 

もしろんそんなシーンばかりじゃないが

これほど戦争の愚かしさが響く本は稀だ。

 

一方、現代のパートでは作家に寄り添う

編集者の仕事ぶりに引き寄せられたよ~。

 

いろんな意味で学べる要素の多い本だわ。

 

知識面では、英語で時間をつぶすことを

時間を殺すと言うってくだりなどをメモ。

 

難易度の面ではやや難といったレベルだ。

俺のレビューをまとめたのが以下の文章。

 

歴史の彼方で輝いた生を丁寧に掬いあげたストーリー。

およそ百年前に欧州の戦場に派遣された看護師と、その物語を紡ぐ現代の作家の視点で織りなす複層ドラマです。

 

途中まで過去編が弱いかな~とも感じていましたが、現地での医療活動が始まると、もう一瞬で引き込まれました。

 

衝撃だったのはやはり命の軽さ。

人が生み出した争いで人が次々死んでいく。

彼らは何のために命を差し出さなければならないのか?という叫びには共感しかありませんでした。

 

平易な言葉を駆使しつつ、徹底して練り上げられた芸術作品。

ぜひ親子で読んで欲しい一冊です。

 

『イズミ』|感想・レビュー

 

妥協のない言葉へのこだわり(2025/1発売)

 

命は平等である、なんて、病棟という名の戦場では、ただの絵空事に過ぎません。(本文より)