海へと続く地形の先端部には、扇形の島が浮かんでいる。出島だ。そこは長崎であって長崎ではない。(本文より)
あと3ヶ月ほどで刊行される見込みの
講談社児童文学新人賞の大賞作品だよ。
カバーを見て判るようにこれは時代物。
実は俺、時代物は挫折しやすいんだが
今回の作品は全然オッケーだったよ~。
時代は古くても内容は新しかったから。
主人公の少女の頭の回転も見どころだ。
大人をコロッと引っかける場面とかな。
さすが受賞作、最後まで楽しいうえに
新鮮でプラスアルファの学び付きだわ。
心配性の父親のあたふたするさまとか
仲良し少年のしどろもどろにもニヤリ。
13歳前後の子どもたちがメインだが
登場する大人からも目が離せないんだ。
真摯な町医者とかカッコいい芸妓とか。
まぁ読み出したら止まらなくなるだろ。
難易度の面では例の分類で普通レベル。
以下ネタばれを避けた先行レビューだ。
時代物は取っつきにくいって思い込んでいましたが、大間違いでした。
笑いあり、涙あり、そして冒険あり!
とびきりのワクワクが詰まった物語です。
これは13歳のお仕事小説でもありますね。
舞台は鎖国下の長崎。
異人の気配が漂う町で、好奇心旺盛な少女が特技を活かして目いっぱい躍動します。
ビックリした~。
子どもが普通に働いている江戸時代の当たり前が新鮮すぎる!
しっかり者の主人公がどこか頼りない父を支えるさまに、たまらないおかしみがありましたよ。
ちょっと抜けてる生真面目少年や、正義感あふれる少年の振舞いにも笑みがこぼれまくりでした。
愉快、爽快な子どもの世界。
とどまることを知らないその勢いは、時代の枠を軽々と越えますね。
子どもを子ども扱いしないお医者さまも魅力の塊でしたよ。
この先生の言葉はまさに名言の宝庫。
生き方にも尊さがあふれていて、一挙手一投足に釘付けでした。
さらにさらに、女の友情も注目ポイント。
魅力を挙げていったらきりがありませんね。
機転のきく少女はどんな陰謀に巻き込まれるのか?
そして、いかにして運命を切り開くのか?
ぜひ手に取って彼女とともに自分の世界を広げてほしいと思います!

いや、学問に男も女も関係ない。知らないことを知ることは、そこまでと思っていた水平線が先まで広がるということだ。(本文より)