ガーはガーというだけで責められ、疎まれている。(本文より)
来月下旬に出る児童文学の大御所の新作。
アリゲーターガーって外来魚なんだな?
人間に捨てられ、害をなす存在と扱われ、
池や堀からも排除される異形の淡水魚に
感情移入する面々を描いたストーリーだ。
中学生2人と19歳が思わぬ縁で繋がり
それぞれの苦悩と向き合っていくんだわ。
この作品は大人の役どころが良かった~。
行動も発言も魅力たっぷりで楽しいんだ。
低学年向けのベストセラーが多いゆえに
この著者はあまり入試では見ないんだが
本作の素材文適性はかなり高かった印象。
問題に使えるかもしれない箇所の例
一章終盤△淋しい外来魚へ抱く人の想い
三章中盤△祖母の言葉に含まれた気持ち
三章終盤△祖母の本当の想いに触れる日
五章終盤△前進する仲間への意外な心情
出題候補の中での難易度は普通だろうな。
物語の魅力は普通なんてもんじゃないが。
以下、先行レビューの全文を共有するよ。
心を優しく包んでくれる物語。
さみしさに溺れそうな3人の若者が、お堀で出会った異形の外来魚“ガー”に自分を重ね、誰かを投影して、思い入れと絆を深めていきます。
重すぎる過去、すれ違う家族、そして大切な人との別れ。
それぞれの抱える闇の奥深さに胸を衝かれ、一気に引き込まれました。
彼らを見守る例の御仁も魅力の塊。
ビックリするような行動の理由がまぶしくて、差し伸べる手も温かくて、大ファンになりましたよ。
彼らが、“ガー”最大のピンチにやばい計画を実行するくだりでは、さらに感情を持って行かれました。
何このドキドキの奔流は!
そして、せつなさの向こうにほのかな希望が感じられる終幕。
もう、これしかないってラストですね。
それぞれが浮上してゆくさまを心地よく想像しながら読み終わりましたよ。
おいそれといかない現実、それこそが真実。
誰しも孤独を抱え傷つきながら生きている。
さみしさと手をつないで進んだっていいじゃないか。
物語からそんな想いが伝わってきました。

あのね。孤独も悲しみも、そんなに悪いものじゃないですよ。(本文より)