それでも今までのぼくは、ぼくの世界が充分大きいと思っていた。とんだ誤解だった。(『ぼくと体と、』の本文より)
こういう本に学生のころ出会いたかった。
文学賞作家がズラリと並ぶ企画の第二弾。
約3ヶ月後の7月末頃刊行予定の作品だ。
掴んで盛り上げて鮮やかに締める連携を
十二分に見せつけるアンソロジーだわ~。
男女とも知っておきたい心情がメガ盛り。
女だから、男だから、という固定観念に
ズバズバ切り込むストーリーが美味ナリ。
押し付けがましくはないナチュラルさで
楽しく物語を噛みしめつつ味わえるのは
家でも学校でも教えてくれない学びだよ。
難易度分類は例の4段階だと普通あたり。
例によってレビューを書き連ねてみたわ。
現実に絡みつき、未来を縛る考えから解き放ってくれる一冊。
心に羽根を分け与えてくれる作品集ですね。
主人公の気づきにハッとさせられたり、唸らされたり、はたまた冷や汗をかいたりと揺さぶられまくりの凄い時間でした。
驚きでは圧倒的に『ぼくと体と、』(ひこ・田中)。
想像もしなかった未知の体験に気持ちがシンクロすることでフラッフラです。
もしかしたら心がすり減るかもれませんが、これを読めばきっと正義感が強まります。
不屈の勇気ももらえます。
『To be a Mom』(神戸 遥真)は古い価値観に一石どころか三石も四石も投じる作品。
主体性への目覚めが清々しいですね。
この短編こそが、作中に出てくる”知っておきたい話”だと感じましたよ。
『親友のカレ』(いとう みく)には考えさせられた!
特に、ジェンダーについて理解があるような顔をした人が、思わぬ感情に揺さぶられるくだり。
ここが最大のポイントであり、驚くほど核心を突いているなぁと感じました。
終盤の少年の言葉にも注目です!
彼らの葛藤に触れることで、読者の視野も広がることうけあいですよ。
『ダイニングテーブル』(鳥美山 貴子)では苦労を越えた家族の思わぬふるまいにほっこり。
友人ファミリーとの対比もユニークでした。
他人に左右されない、日々を幸せにする考え方はみんな取り入れるべきでしょ!
『三月のグラウンド』(蒼沼 洋人)は二枚看板の熱量が圧倒的!
主人公と魅力の塊のような熱血男子のライバル関係プラスアルファ、ピッタリなアクセントの匂わせ、失意の主人公に起こるまさか。
そんな吸引力ある展開に引き込まれ、目が回るような楽しい時間を過ごせました。
私は野球小説が大好物なのですが、そうでなくてもこの作品には夢中になっていたと思います。
ジェンダーと中学生をテーマに多士済々な顔ぶれがそろい踏みする、まさに夢のような企画でした。
読んだほうがいいではなく、読まないといけない物語がギュっと詰まっていましたよ。
今後も尖った作品たちの登場を心待ちにしています!

女の子、なんて一括りにしてほしくない。わたしの人生を、そんな括りで決めないでほしい。(『To be a Mom』の本文より)