スマホも、自分にとっては興味のない道具だ。小さな機械をじいっとながめているだけなんて、せっかく生きてる時間を無駄にしているみたいに感じる。(本文より)
精力的に作品を発表し続けている作家の
あと二週間ほどで発売される新作ですわ。
意外な存在が主人公になって生を謳歌し
周囲を巻き込んで影響を及ぼしていくよ。
自分でもビックリするほど引き込まれた。
いまこの世で生きている奇跡に感謝して
何でもやりつくしたいって気になったわ。
マンガ的設定だがそんなことに関係なく
子どもも大人も心を動かされそうだよ~。
これはSFが好きじゃない人にも推せる。
素材文適性って点では、不登校の少女に
手を差し伸べるかを相談するパート等に
もしかしたらあるかも知れないって印象。
文章難易度は紹介作品の中では普通かな。
ネタばれ回避でフワッとした内容だけど
以下がレビューの全文なのでございやす。
「この物語が誰かの命を救いますように」
そう願っている自分がいました。
生への渇望がこれほど響いてくる本を他に知りません。
当初は、人間賛歌的なタイトルに暑苦しかったらどうしようと思いながら読み始めたのですが、いきなりヒヤッとさせられる展開に首根っこを掴まれました。
さらに死の匂いが濃くなってくると心臓までもわし掴み。
気づけば物語の虜になっていました。
この本の素晴らしさの秘密は、第一に、コントラストにあると思います。
生きたい少年と死にたい少女の対比。
単純思考から複雑系への変化。
冷静に見えたナニカから溢れる熱量。
こういった振れ幅の吸引力が私を捕らえっぱなしだったんです。
そしてメッセージ性。
「生きて!」という著者のひたむきな祈り。
これが主人公の命を燃やすさまを通じて幾度も全身に降り注いできました。
まるで魂から洗い清められるような、不思議な読書体験になりましたよ。
なるほど、悲観の極みにいる人には魔法の治療法も、すぐ効く言葉も、ないのかも知れない。
けれど、この作品に出会えば、出会いさえすれば、何かが変わるのではないか?
純粋で真っ直ぐなあたたかさが、心にスッと沁み込むのではないか?
そんな気にさせられる一冊でした。
ごく自然な形でメンタルヘルスを学べるのもこの本の魅力。
セルフケアの方法は「食」も含めれば、少なくとも3種類はありました。
外部からの働きかけについてはさらに多く、しかもリアルに刺さるイメージが湧きました。
いずれ読者自身や周囲が心の罠にはまる瞬間に出くわすだろうことを考えると、ストーリーを通じて予習できるのはメリットしかありません。
この物語は暗闇をさまよう人々を照らす幾筋もの光です。
その輝きでひとりでも多くの人を照らして欲しいと願わずにいられません。

どんなに強く、明るく、悩みなどなさそうに見える人間も、心の底ではかならず苦しんでいる。そういうものだ。(本文より)