男のほうが元カノのことを引きずって、女のほうが元カレのことを引きずらない、って言いますよね。男は『名前をつけて保存』で、女は『上書き保存』みたいな。(本文より)
『死んだ山田と教室』で注目を集めてる
若手作家のちょっと変わった恋愛小説集。
先行禁止だったので発売日に紹介するよ。
この先生はSFのイメージがあるんだが
本作の短編は全て現実路線になっている。
現実だけど現実だと思いたくないような
ビックリ展開があったりで楽しいんだわ。
一番笑えたのは職員室の先生同士の軽口。
試験問題でまさかそれをやる?っていう。
一方で背筋が寒くなる話もすこぶるある。
読めば感情がグワングワンになるだろう。
難易度はいつもの分類だとやや難相当だ。
後半に小学生には見せづらい部分なども
あるから心配なら先に親が読むといいよ。
以下、熱量高めなレビューの前半でっせ。
荒ぶる情念のほとばしりが圧倒的な迫力で眼前に迫る一冊。
クライマックスからさらなる衝撃がくる!
こんな恋愛小説、見たことない!
予想を縦横無尽に裏切るもの凄い作品でした。
「思い通りなんかにさせないよ?」って著者の高笑いが聞こえてきそうです。
一番面白かったのはテスト問題のくだり。
思わずその場面を想像して吹いたわ~。
多様な恋愛観が出てきますが、一筋縄ではいかない悲恋のなかに、狂おしいほど共感の粒がぎっしり。

最近改めて考えてみたんですけど、性欲と友愛が混ざった状態を、みんななんとなく恋愛と呼んでるのかな、と。(本文より)