中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

決意、あらたに『中受 12歳の交差点』(工藤 純子)

偏差値が高くて有名中学であれば、どこでもいいと思っていた。(本文より)


来週発売される入試によく出る作家の本。

もうタイトルからし注目間違いなしだ。


児童文学で中学受験は色眼鏡で見られる

ことがあるがこの作品の目線はフラット。


だからすんなり物語に入り込めるんだわ。


しかも、普通にイメージする中学受験と

一味違うからますます引っ張り込まれる

 

挑戦者がガリ勉ばかりじゃないがゆえに

これは読者の裾野が広くなりそうだよ~


素材文適性は少年が考え過ぎを知る場面、

学校見学の邂逅、前受で初めて知る感情、

発表後の顛末等が高めで作問しやすそう

 

難易度は平易なので小5でもOKだろう。

以下、オレのレビューのフルバージョン。

 

未来への一歩を後押ししてくれる未体験の中学受験ストーリーでした!

 

主人公は3人の小学六年生。

抱えきれないものを内に秘めていた彼らが、中学入試の世界に足を踏み入れて、新しい生き方に目覚めていきます。

 

一風変わった背景に、見たことがない展開。

これは中学受験モノとしてはどこか異質。

 

でも、だからこそ面白い!

 

中学受験のアナザーサイドを描いているという点で、これを読めば中受がわかるという作品ではないかもしれません。

 

しかし子どもの成長物語という点では、まさに王道ど真ん中。

歪んだ価値観を脱ぎ捨てたり、硬い殻をやぶったり、あるいは力を分け合ったりと、魅惑のエピソードが盛りだくさんでした。

 

夢にも思わなかった展開となる終盤の迫力なんて、鳥肌モノ。

 

とくに、担任の先生の想いがあらわになる瞬間はぜひとも見てほしいです!

 

親のあり方や、塾の先生のあたたかいアドバイスも必見ですよ。

何より心に残ったのは、ひねくれていた少年が見せたあっぱれな振る舞いですね。

 

正直、従来の中学受験モノとの違いに思考が追い付かなくなる瞬間もありましたが、読み返してみて、全体を通してのバランスの妙にあらためて気づかされました。

 

みんなの頑張りが勇気をくれる一冊。

 

心をフワリ軽くしてくれる言葉にもきっと出会えますよ。

 

執事みたいな人、最高!(6/26発売予定)

※私のレビューの一部が、この本の帯(裏側)の宣伝文のなかに採用されました。

 

そんなにしてもらってるから裏切れない、がんばらなくちゃって、どんどん追い込まれるんだよなぁ。(本文より)