そう、僕の中学生活は、何の問題もなく、うまくいっていた。この日、彼に声を掛かけられるまでは。(本文より、ボッチ男子の心情)
今年の読書感想文コンクール課題図書に
そんな作家の6月に発売された新作だが
今作は発売早々から話題を呼んでいるな。
陰キャそのものだった少年がらしくなく
なっていくストーリーにグッとくる上に
問題文にも抜群に使いやすいって評判だ。
確かに素材適性は高く2章後半のように
出題箇所がかぶりそうな名シーンもある。
問題に使えそうな箇所の例
二章中盤〇車椅子への思い込みに冷や水
二章終盤◎考えを変えた少年が躍動する
三章中盤△カメラを向ける重みに気づく
三章終盤〇波乱が生むまさかのショット
ま、そんな話はさておき面白さも満杯だ。
会話の弾みっぷりとか楽しすぎるんだわ。
特に女子のバチバチあたりは必見だから。
ここは考えさせられる場面でもあるよ~。
読むことで心の機微に敏感になれそうな
この作品は中学入試では標準的な難易度。
以下、レビューのロングバージョンだよ。
ラストの心地よい騒がしさに、幸せ気分を分けてもらえました。
解像度バッチリの青春小説ですね。
主人公は暗すぎ蔵木と呼ばれる中学三年生。
カメラマン志望だけど人物写真の苦手な彼が、陽キャ男子の発案で型破りな卒アル作りに巻き込まれます。
迫力ある場面がくっきり像を結ぶ描写力!
いかにみんなの個性を引き出すか、突きつめていく中で、少年が気づきを得ていくさまが心地よいですね。
物語を通じて、他人はもちろんのこと、自分自身に対しても決めつけは戒めないといけないと痛感しましたよ。
困ったときに誰かに話せることや、困っている誰かの話を聞けることが、どれだけ素晴らしく、ありがたいことかも身に染みました。
この作品に触れれば、人の気持ちを想像したり、寄り添ったりできる優しさが、自然とはぐくまれるかもしれません。
成長機会をくれる、あらゆる世代に届いてほしい物語です。

あ、どうぞそのまま不毛なケンカを続けてください。(本文より)