中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

思いを言葉にして『花の子どもたち』(小手鞠 るい)

今、この教室において、沈黙には、一粒の砂ほどの価値もない。黙っているということは、意見がない、ということだ。(本文より)


アメリカ在住作家の先月の新刊本の一つ。

もう一つのほうも後日紹介する予定だよ。


いかにも日本人という少年が母と渡米し

カルチャーショックを受けつつ成長する


ワンフレーズで言うとこんな筋になるよ。


いつも思うんだが両国の事情に通じてる

この先生にしか書けない点は今作も同じ。


子供達が銃規制について掘り下げる中で

より深く社会の諸問題を突き詰めていく。


そのやり取りにはもうね、学びしかない


同調圧力の国と遠慮のない自己主張の国、

その文化の違いにもハッとさせられるよ。


素材文適性は少年の内面を綴る部分より、

ともに学んだり意見をぶつけ合う部分に

あるとすれば、中盤以降が注目だろうな。


文章は平易だがニュアンスや背景理解は

紹介作品の中で普通の難度という印象だ。


以下、大人も楽しめた一冊への感想だよ。

 

アメリカでは考えをきちんと主張するのが当たり前”

 

物語のおかげで、知識として知っていたことが、実感を伴って腹に落ちました。

この物語は新たな視点をプレゼントしてくれますね。

 

主人公はアメリカに来て間もない中学生。

討論の授業の発表者に選ばれたことを嘆いていた彼が、課題と向き合うなかで内面の変化を見せていきます。

 

なんて爽やかさ!

少年の成長に心を洗われる物語でした。

 

大人たちのそっと支える姿勢も素晴らしかったですね。

 

何より担任の先生が最高!

盛り上げ方も、まとめ方も、見事としか言いようがないです。

 

答えが一つでない問いにどう向き合うか?

正しさとは何か?

 

先生の導きが、心の奥に眠る感情を呼び覚ましてくれましたよ。

 

『花の子どもたち』感想・レビュー

 

芯の通った人になれそうな一冊(2025/6発売)

 

やればできるんだ。ふつふつと静かな自信がみなぎってくる。(本文より)