むかつくんですよ。親のせいで子供の未来が狭まっていくのを見ると。(本文より)
入試によく出る作家の7月発売の注目作。
栄光とその先や、埋もれかけている才能、
失われた輝きなどに光を当てる短編集だ。
一話一話のクオリティの高さが半端ない
自信をもって薦められる一冊だったわ~。
話が微妙につながっていたりもするから
人物像がクリアに浮かび上がる仕掛付き。
素材文適性は無料塾に通う少年の才能が
大人を普通でいられなくさせる短編が◎。
この『エスペランサの子どもたち』だが、
塾への苦情と偽善の話題、守るべき境目、
一次オーディション周辺が問題に良さげ。
家庭環境による進路の違いを描き上げた
この話はテーマ的にも大アリだと思うな。
『カケルの蹄音』は高校陸部少年の蹉跌。
夢がこぼれ落ちる経緯と先生の声掛けに
ほんのりと素材文の香りが漂っていたよ。
ま、入試とか関係なく読んだほうがいい。
難易度は上記の2短編がやや難レベルで
それ以外の話はすこし難度が上がるかも。
以下は一部分だけどマイレビューになる。
天才たちの光と影をくっきり映し出したアンソロジー。
類まれな才能が周囲の人々に投げかける波紋に共感がありすぎて参った!
題材は将棋、フィギアスケート、歌声など多岐にわたりますが、もれなく楽しませてくれましたよ。
特に出自で将来が縛られる問題に鋭く切り込んだ短編にグイっと持っていかれました。

才能の炎が燃え続けられる時間は、決して平等ではない。(本文より)