わたしはおいしいものを食べて「おいしい」って言うみたいに、簡単に「すき」と口から出そうだった。(本文より)
まれに入試で見る作家の先月発売の作品。
恋愛小説って、子供への紹介をためらう
内容のものが少なくないがこの本はOK。
描かれるのは高校生の青々した恋心だと
思って油断していると急展開が来るけど
それこそがこの作品の価値を高めている。
教室の空気に対しどうあるべきか改めて
考える契機になりそうな事態に注目だよ。
素材文適性の面では終盤の冬休みパート。
友人との距離感が変わるあたりが強そう。
園芸部の先生に名台詞が多いもんだから
教師との対話も心して読むといいかもな。
難易度はやや難といってよさそうな感じ。
以下、少しだけどレビューを付けとくよ。
こんなに瑞々しく、細やかに恋する乙女の内面を描ける人がいるのか!
と驚きながら読み進めていったら、さらなる驚愕が待っていました。
主人公は幼馴染の一軍女子に金魚のナニカのようにくっついてきた高校生。
みずからの意志を端に寄せる生き方に縋った彼女が、その報いから、まさかの事態のど真ん中に立つことになります。
消えない罪の重さに身震いしました。
逃れようのない過去が今に影を落とすとき、後悔に押し潰されないためにどうあるべきか?
先生や例の母親の言葉が何かの助けになりそうですね。
自分も、人も、大切にする生き方のヒントが詰まった逸品です。

自分のすきなことが肯定されることが、こんなにエネルギーになるとは知らなかった。(本文より)