本当の寂しさとは、みんなといても誰も味方がいないことだ。(本文より)
2023年に麻布中で出て注目を集めた
『やさしいの書き方』を初めて収録した
来月25日に発売される連作短編集だよ。
一般文芸カテゴリでは珍しいと思われる
8歳~9歳の子どもたちの群像劇ですわ。
周囲の子どもの言動から浮き彫りになる
一人の少年の誠実さが圧倒的にイイよ~。
ほかにも、そうそれ!って叫びたくなる
素敵で青い煌めきが散りばめられている。
これはメチャメチャ嬉しい拾い物だった。
道徳的だし素材文適性は大アリだろうな。
学級委員がらしくない姿を見せる場面や、
一軍女子の言葉が招くまさかなどは一例。
他にも問題文に使えそうな場面は多いよ。
清く正しく生きるうえで役に立ちそうな
気づきがたっぷり詰まっている作品だし
これはテストとか関係なしに推したいわ。
難易度はやや難で8歳~9歳あたりじゃ
歯が立たないけど高学年受験生によさげ。
以下、できたてほやほやマイレビューだ。
5人の小学3年生の視点で描かれたピュアな輝きあふれるストーリー。
子ども目線の話じゃ大人は楽しめない?
とんでもない!
ゆるぎない友情の美しさにすっかり魅了されましたよ。
親の窮地に子どもが見せる行動力も凄い!
これは本当のやさしさを教えてくれる物語ですね。
一話目『見守りた隊見習い』は最も泣ける話でした。
とにかく少年が傷ついた母にかける言葉が素晴らしい!
別にうまいことを言ったわけじゃなく、彼の気持ちがそのまんま出ただけの素朴なセリフなのですが、その純真さにジーンと打たれました。
幼い気遣いと支え合う親子の姿に涙、涙です。
いいお母さんであろうと必死だった母親の気づきにも、ぜひ目を向けてください。
二話目『クラゲのしっぽ』は勇気をくれます。
空気を読まず孤立した少女を否定せずに寄り添う大学生が最高。
理解者の存在がどれだけ救いになるか、思い知らされましたよ。
この短編は教育格差の問題にも触れる、実に味わい深いストーリーでした。
三話目『やさしいの書き方』はマジメすぎる学級委員が、感情を解き放つまでの移ろいが魅力。
義務感に作られたやさしさと、湧き出るように自然なやさしさの対比には、ハッとさせられました。
四話目『赤いリボン』はカリスマ少女から立ち昇る願望が刺さる!
微笑ましい交流が思わぬことになる展開に「うぎゃ」っと声が出そうでした。
この話から得られる教訓は年代を問わずあらゆる層に受け止めてほしいです。
五話目『スルーパス』は集大成。
サッカー少年の家庭環境に引き込まれ、親の責任について考えさせられました。
ラストの瞬間、残暑厳しい駅のホームで鳥肌が立って自分でもビックリ。
全体として、口が災いの元となるさまざまな失敗は、よく生きるための戒めになりそうですね。
人を救う言葉の力強さや行動の尊さも、身体に沁みこませたいと感じましたよ。
気分と明日を上向きにさせてくれる大切な一冊。
みんなの尊敬を集める少年の生き方から、決して目を離さないように!

手を差し伸べるのは簡単だ。だけどそうしてしまったら、お母さんはもう二度と、一人で立てなくなってしまう気がした。(本文より)