先のことはわからないけれど、わたし、純粋に科学の勉強に打ち込んでみたい。勉強したことは、きっと社会の役に立ててみせます。(本文より)
科学のチカラを見直すきっかけになる本。
地学小説で知られる伊与原先生の新作だ。
女性研究者の先駆的な存在に光を当てた
驚くほど心が躍るストーリーだったわ~。
個人の意思が濁流に流される時代の中で
流されずに自分を貫くさまはクールだよ。
読むほどに力が湧いてくる稀有な本だな。
素材文適性が高いのは16歳パートから
駆け出し研究者パートあたりという印象。
燃え上がる意欲と現実の厚い壁の狭間で
葛藤する部分は問題文に向いてそうかと。
後半にかけては出題臭が減っていく反面
面白さがエスカレートして読ませるよ~。
ブレずになすべきことに集中することが
いかに大切かストーリーに教えられたわ。
かつ原水爆の恐ろしさがガッツリ響いた。
主人公が憧れたキューリー夫人の懸念は
見事なまでに事の本質を突いてたんだな。
詳しくは本を手に取って味わって欲しい。
難しい本だが学生パートは若干読み易い。
以下、マイレビューのプロトタイプだよ。
科学に生涯をささげ、世界平和にも貢献した猿橋勝子博士を題材にした作品。
女性が今よりずっと軽んじられていた時代に、持ち前の真面目さと粘り強さで「ガラスの天井」を突き破っていくさまは痛快でしたよ。
確固たる自分を持ち、歴史の奔流にも吞まれない強さには惚れ惚れ。
なかでも、大舞台で科学の義務と使命を堂々と訴えるくだりが素晴らしかった!
本人だけでなく、彼女が尊敬し、敬愛した人々の生き様も魅力にあふれていましたね。
戦争のむなしさがこれでもかと伝わってくる逸品でもあり、もはや激押し一択。

戦争なんてばからしい。すぐにでもやめてほしい。自分をどこかわきに置いて、まるで被害者のように、そう思ってたんです。(本文より)