中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

巧みに狙ったライト感『わたしのbe 書くたび、生まれる』(佐藤 いつ子)

でも、自分の気持ちは、どんなに押し込めても抑え込んでも、勝手にあふれ出してくる。自分の思い通りにはならない。(本文より)

 

中学受験の女王の9月に出た最新作だよ。

ルッキズムについて考えさせられる話だ。

 

主人公は中高一貫校の内部進学の高1で

中学では目立たなかった真面目書道女子。

 

高校デビューをもくろむ彼女の気持ちが

激しく浮き沈みするさまが面白い物語だ。

 

対照的なキャラの躍動もみどころだよ~。

 

本作品は朝日中高生新聞連載作のせいか

本を読まない子にも訴求する軽さがある

 

連載の字数制限によるものだと思われる

伏線から回収までのスムーズさも目立つ。

 

子どもウケが強く、先生ウケは微妙かも。

おそらく中高生向けの最適解なんだろう。

 

素材文適性はそれなりという印象だった。

 

強いて問題に使えそうな箇所を挙げると

二章の公園落ち込みパート辺りだろうか。

 

三章の書道展での心境や六章の学祭準備

あたりもひょっとしたらアリなのかな?

 

今まさにルッキズムにどっぷりな子らに

共感のシャワーを浴びせかけ心を綺麗に

洗い流してくれる点では魅力十分な一冊

 

難易度の面では紹介作品の中で普通かと。

以下、俺のレビューから引っ張って来た。

 

美にとらわれる高校生たちの葛藤を軽妙に描き上げた一冊。

 

主人公は恋に恋する高校一年生です。

自分の殻を破りたくて外見づくりに汲々とする彼女が、波乱に満ちた書道部での日々を通じて、本当の美しさの核心に迫ります。

 

展開のスピード感が特徴的ですね。

見た目だけで決めつけることの愚かしさが、実感を伴って伝わってくるストーリーでした。

はじめは危うかった主人公が、最後には大丈夫だと思えましたよ。

学生時代って確かに見た目偏重の濃度が物語のまんまですし、やはり中高生の共感を目いっぱい誘いそうですね。

 

甘く切ない恋模様(2025/9発売)

 

周囲の意見や雑音に惑わされず、自分の信じる道を進むことが、成功への鍵となる。(本文より)