中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

笑顔を咲かせる『花に風』(吉野 万理子)

そうだよ。華道って芸術なんだよ。(本文より)

 

たまに入試に見る作家の来月発売の新作。

小4女子の日常を丁寧に描いた作品だよ。

 

これは華道への関心の入り口になる上に

ハラスメントのイロハも学べる凄い本だ。

 

周囲の人々の抱える事情が互いの関係に

思わぬ波紋を投げかける部分がユニーク。

 

そして盟友のような男子とのやりとりは

芸人顔負けでワハワハ笑えるんですわ~。

 

みやげ話を買ってくるからってセリフは

俺もどこかで使ってみたくなっちまった。

 

やっぱしストーリーには楽しさって大事。

 

しかも感じ入る部分もたっぷりとあって

蝶にまつわる詩的な言葉とか最高過ぎた。

 

難易度は平易で小4でも読めそうな印象。

以下、マイレビューのロングバージョン。

 

主人公が生け花に出逢う物語に加えられたアレンジが斬新!

想像を超えるまさかの展開に驚き、その顛末に胸を打たれました。

 

主人公は絵心のある小学四年生。思わぬ流れから生け花に惹かれた彼女が、ボケボケな相棒とともに新しい世界に踏み出していきます。

 

未踏の分野に分け入る楽しさ、知ることでふくらむワクワクが目いっぱい伝わってきました!

だからこそ、手に入れた大切な場所で育つモヤモヤにも共感できましたよ。

 

描かれるいやがらせの類いには思い当たるものも少なからずあって、身につまされる思いでした。

これを読めば自分の置かれた状況や過去の経験に照らして、思いを巡らせることになるかも?

 

でも、気分が落ちそうになっても大丈夫。

華道がくれる新鮮なよろこびや、盟友から溢れるとびっきりの明るさが、きっと救いになってくれます。

 

知識面では、花を長持ちさせる秘技が興味深かったですね。

 

生きていく上で経験する様々ないやなことの背景を知り、いかにして向き合うかを考えさせる力強いストーリー。

耐えるだけじゃない活路をくっきりと照らし出してくれる導きの書。

 

主人公の見せる勇気はどんなフィナーレに繋がっていくか?

 

是非、手に取って新鮮な物語のすべてを満喫してください。

 

楽しく学ぶ対人スキル(11/18発売予定)

 

知らないことを知ると、見え方が変わる。(本文より)