僕がみんなに感じてほしいのは、戦争の更に向こう側に横たわっている恐ろしいものです。(本文より)
たまに入試で見る作家の7月に出た作品。
67年前にタイムスリップした高校生が
反戦に目覚めていくってストーリーだよ。
まぁ、設定からして変わってる作品だが
先生の語るユニークな歴史観も興味深い。
女性が軽視されていた時代の空気などの
現代とのギャップも見どころだと言える。
この作品は前・中・後の三つに分けると
戦争が語られる後パートの訴求力が強力。
圧倒的に引き込まれる逸話が溢れていて
ああ、読んで大正解だったと感じたわ~。
何も考えず世の中に流されるのではなく
疑問に思うことが大切だと心に浸透した。
一人でも戦争を伝える人になってほしい
というのは著者の願いそのものだろうな。
その種はきっとあちこちで芽吹くだろう。
なお、本作の難易度はやや難という水準。
俺のレビューは以下の通りでございやす。
戦後十数年を経ても多くの人の心を占めていた痛みが胸に迫りました。
主人公は現代の高二劇部女子。
戦争劇をやることに反対だった彼女が、昭和三十三年にタイムスリップし、人の愚かさが生み出した災禍の傷跡を目の当たりにします。
理不尽な場面で、黙ってられない主人公の切る啖呵が最高!
風呂も電話もなく飲酒運転OKという昭和ど真ん中のギャップは新鮮でした。
何より響いたのは、作中作。
私も悲劇を繰り返さないためにできることをしないといけない、争いのむなしさを伝えていかないといけないと感じましたよ。

きみたちは、失敗しても間違ってもいいから、ちゃんと修正できる大人になるんだよ。(本文より)