毎週公園へやって来て、パンとスープを配るのは簡単だ。でも、それで何か解決するんでしょうか?(本文より)
児童文学の世界で脚光を浴びる先生の本。
この著者はSFの作り込みが超得意だよ。
本作は飲食店経営に携わる未熟な少年が
周囲の助けを借りながら奮闘するって話。
そこに先生ならではの特殊設定が入って
感情をグワングワンと揺さぶるんですわ。
一皿のありがたみを実感できる展開だし
これは面白いうえにためになる作品だよ。
味覚が踊るような表現も心地いいんだ~。
素材文適性があるかもしれない箇所だが
9章の人の気持ちを想像するくだりとか
10章の他店エピソードはどうだろう?
難易度は平易でとっつきやすいかと思う。
以下、ネタバレを極力避けたレビューだ。
食事を楽しめる幸せを抱きしめたくなる作品ですね。
主人公は有名シェフの息子。
貧民窟で味の天才少年を見出した彼が、交流を重ねるなかで思わぬ現実に直面していきます。
年の離れたレストランの面々が素敵すぎる!
そして、珍しい料理を誇るより大衆料理で喜ばせたほうがいいという価値観には目が覚める思いでした。
貧しさに目を向けるという意味でも有意義な一冊ですね。
若すぎる主人公は店を守れるか?
底知れない天才の奇妙なこだわりの真意とは?
二人の微妙な距離はどうなる?
ぜひ、自分の目で確かめてみて!

舌の上から何かが電気のようにかけめぐって、血管をとおって、一気に足の裏まで、体のすみずみまで知らせていった。この味を。このぬくもりを。このよろこびを。(本文より)