中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

夢へと駆ける『天馬の子』(高瀬 乃一)

みんな、自分が生きる場所よりも、暖かい場所があることを知らないのだ。(本文より)


貧しい家で暮らす少女の成長物語ですわ。


そんな仕事もできないと嫁にいけないと

毎日言われる12歳とか想像できるか?

 

これを裁縫下手な主人公がやられんのよ。

 

まぁ、本作は江戸時代の東北が舞台ゆえ

13歳で嫁に行かされるとか普通にあり

現代の感覚で読むと戦慄を覚えるだろう。


これは新鮮な驚きに満ち溢れた名作だな。


川に流される赤子とか飢饉の凄惨なども

俺なんかにはショッキングな話だったよ。


素材文適性では背景の難度や方言などが

ネックになるけど問題文には使えるかな。


特に一章終盤の捨て子エピソードだとか

四章終盤の12歳の別れパートはよさげ。


二章終盤の仔馬誕生あたりも使えるかも。


俺が特に好きな話は超爽快な野馬捕りと

出立時の思わぬ声掛けのくだりになるよ。


抑圧と解放のギャップが心地いい一冊だ。


まぁ、文学賞とって欲しいとすら思うが

小学生だとそうそう歯が立たないだろう。

 

入試問題に使うとしたら上位難関校かな。


以下、魅了されまくった俺のレビューだ。

 

舞台は江戸時代の寒村。

人死にが身近にある過酷な環境で、馬とともに歩む少女が、懸命に困難と向き合い命をつなぎます。

 

言葉を失うほどの圧倒的迫力でした!

描かれるのは10歳からの数年間がメインですが、あまりの暮らしぶりに完璧くぎ付けでしたよ。

 

馬よりも軽い人命、子どもたちの労働実態、大人たちの秘事、獣の脅威といった目を引く現実を当事者さながらの臨場感で味わえました。

村に根付く自然信仰や身分による激しい格差なども興味深かったですね。

 

つらい日々のなかでも燦然と輝きを増す少女の夢に注目!

 

『天馬の子』感想・レビュー

 

現代を生きるありがたみが解る(2025/9発売)

 

もう、だあれもひもじい目にあって死んでほしくないすけ。そったら寂しいことはもう十分じゃ。(本文より)