中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

世界の現実を直視せよ『スラムに水は流れない』(ヴァルシャ・バジャージ)

やっぱり、わたしの将来はわたしの手のなかにはない。(本文より)

 

2025年の読書感想文全国コンクール

中学生の部で課題図書だった海外作品だ。

 

インドのスラムに住む少女の物語だけど

子供たちの目を覚まさせる要素が満載

さすがの選書だと唸らされちまったな~。

 

人口過密な貧しい地区への水道の供給が

全体の5%しかないことで生まれる弊害。

 

これってたぶん衝撃以外の何者でもない。

 

広い世界へ目を向けさせてくれるうえに

自分の置かれた環境を実感できると思う。

 

素材文適性の面では初仕事へ赴く場面と

職場での体験から心に壁を作るあたりが

ちょっと問題文に使えるかもしれないな。

 

本作の難易度は紹介作品の中では普通だ。

以下に毎度のマイレビューを置いておく。

 

蛇口をひねれば清潔な水が出てくる日本って、やっぱり恵まれていますね~。

 

主人公はインドのスラムで生きる下層カースト12歳。

事件などもあり生活が一変した彼女が、幼い肩で家を支えるために無理に無理を重ねます。

 

水のために命が脅かされる日々と、圧倒的格差のリアルが衝撃でした。

過酷な生活に胸が苦しくなる一方で、差し伸べられる手もあって読んでいるほうも救われましたよ。

 

やはり人と人のつながりは大事。

子どもたちが未来を選び取るために、教育の機会を守ることが重要だとあらためて身に沁みました。

 

『スラムに水は流れない』感想・レビュー

 

貧困から抜け出すカギは・・(2024/4発売)

 

そのときピンキーが蛇口をひねった。するとおどろいたことに、水が勢いよく流れてきた。真っ昼間に水が制限もなく流れている。まるで魔法みたいだ。(本文より)