わたしの十五歳は、辛い日々だったけれど、同時に世界の明るさを知った年でもあったのよ。(本文より)
たまに入試で見る作家の6月に出た作品。
ファンタジーだが割と現実寄りだったわ。
俺なんかにもすぐ入りこめて助かったな。
国同士の争いに子どもたちが巻き込まれ
普通ではありえない経験を重ねる筋書き。
今まさに世界で起きている深刻な紛争や
現実の世界史に残る戦争犯罪を元にした
場面もいくつか描かれていて驚いたわ~。
とはいえ暗~い話に終始せず救いもある。
心が浮き立つようなくだりも少なくない。
このあたりは恋愛小説の名手ならではだ。
素材文適性は親友への罪悪感を抱きつつ
喜びが漏れるパートなどにあるかもだよ。
難易度はこれまでの紹介作の中では普通。
以下、俺の感想から断片を持ってきたわ。
戦争の罪深さが響きわたる作品。
恋する喜びと切なさがジュワ~っと身体に沁みる物語でもありました。
深い事情で制約のある生き方を余儀なくされた少女が、禁忌の裏に潜む真実に迫り、くびきから解き放たれていきます。
人の愚かさや、抗えない同調圧力の怖さには身震いしましたね。
不穏な空気が漂う世界のなか、主人公の母の生き方には、たとえようもない気高さがありました。
ぜひともその言動に注目してほしいと思います。

好きという気持ちは、止められないものなの。それは、母さんにだってわかる。でも、それはときに茨の道なのよ。(本文より)