いちばんやさしくしてほしい人が、いちばん苦しめるのはなぜなんだろう。(本文より)
約40日後の12月25日発売予定の本。
これは小学生には見せられない系だけど
マスク依存の中学女子の葛藤であるとか
恋に悶絶する高校男子も出るんだよな~。
青々と瑞々しい子ども達の描写とともに
桃色に染まる大人の生々しさがあるんだ。
まぁ、中高生パートを上手に切り取れば
問題文に使えるんじゃないかと感じたよ。
特に自信のない高校生といわゆる一軍の
性格も良い男女の立ち回りがアリかもな。
本作で舞台になるのは中学校の体育館で
嵐の日の避難所での長い一夜が描かれる。
浅からぬ因縁のある面々が集った場所で
短いけれど濃密な時間が過ぎてゆくんだ。
コレ三つ巴の修羅場とかもの凄いからな。
思わぬ事態ってのがメチャメチャ面白い。
狂おしい恋心が生み出すイレギュラーは
読者の甘酸っぱい記憶を刺激するかも?
俺なんて消したい過去に叫びそうだった。
本作は、みっともなくても足掻けと訴え、
欠点に囚われなくてもいいと語りかける。
人に左右されない自分軸を強めてくれる。
そんな素晴らしいクリスマスの贈り物だ。
小学生には禁書であって難易度は難しい。
大人にじっくりと味わってみてほしいな。
以下、ちょっと長めのレビューになった。
避難場所でのまさかの出会いに、登場人物の心の中も大嵐。
甘やかで苦い古傷にあたふたする彼らと一緒に、わたしも自分自身の消したい過去と
向き合えました!
物語がくれたのはマイナスをプラスに変える力です。
どうしようもなく会いたくない。
けれど再会を熱望する自分もいる。
そんな人々が運命の巡りあわせで、相まみえ、揺り動かされていく物語。
本作ではおびただしい修羅場が描かれます。
はた目にはおかしすぎる動揺ぶり。
でも、当人はみんな切実で、真剣で、なお面白い。
しかも、ただの悲喜劇で終わらず、再生への道筋が細やかに描かれているんです。
笑って読んで、ハイおしまいではない、胸の奥まで響くものがある物語でした。
特に、”クラッシャー”の価値観には、くよくよするのが馬鹿らしくなるような圧倒的パワーがありましたね。
彼女の弟もラストにかけて迷いながらも、強靭にアピールするメッセージを連発してくれました。
その一つ一つにグッときましたよ。
物語の締め方がこれまた憎いの。
マジ、かっこええラストだった!
本作は、序盤の場面転換の早さにはじめは戸惑うかもしれませんが、人物が多面的に描かれる効果で、徐々にキャラの輪郭が濃くなっていきます。
違和感があっても先に進んでください。
きっと見たこともないユートピアが待っていますよ~。

歴史を無駄にしたくない一心で、未来を無駄にするの?(本文より)