中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

不条理へ放たれた矢『やさしい雪が降りますように』(桃実 るは)

本当に、何の前触れもなく、落とし穴みたいに床が抜けて、奈落の底に落とされるんだ。(本文より)

 

氷室冴子青春文学賞の準大賞作品だよ~。

 

読み終わって何て言ったらわからず放心。

あまりに過酷な現実に光を当ててるから。

 

ただ、後味がいいってことは断言できる。

 

小学生に見せたいような話じゃないけど

突然のように巻き込まれる事態の重さは

中学生以上には大アリだって気がしたな。

 

終わらない心の傷が胸に迫る話なんだが

優しさの化身みたいな人がいて救われる。

 

どこまでも寄り添うその姿を見てほしい。


難易度はうちの分類だとやや難相当だよ。

以下、マイレビューをまとめてみた文章。

 

だれも加害者にも被害者にもなってほしくない!

そんな著者の祈りが沁みる物語です。

 

主人公は普通でない家で暮らす少女。

引きこもりの姉、腫れ物に触るような親、通い詰める風変わりな人物、それらのイレギュラーの背景には深い深いワケがありました。

 

当事者のみならず、周囲の人々の人生をも壊す罪の重大さに震撼させられますね。

 

それだけに、”やさしさ十段”なあの人の存在にこちらも救われた思いです。

出番は少ないものの、電車で遭遇するパワフル女性も魅力的。

 

ストーリー全体から、世界の悲しみを減らしたいという著者の壮大な願いがひしひしと伝わってくる作品でした。

 

『やさしい雪が降りますように』感想・レビュー

 

最後のフレーズがいい(2025/9発売)

 

もしも事件が起きていなかったら、どのような世界線になっていただろう。(本文より)