そう、僕は一度はっきりと父を見限ったのだ。(本文より)
心温まる作風の先生が8月に出した本だ。
すれ違ってきた父と子の関係性の変化が
しっとりと描かれたストーリーだったな。
平穏な日常に訪れるちょっとした危機に
主人公が清く正しく向き合うような感じ。
分別はあるけど器用に生きられない男の
歩みには俺も感情移入させられちまった。
素材文適性の種は15歳パートの恋愛の
ほのぼの感のあたりにあるかもしれない。
この作品は難しいカテゴリに入るだろう。
以下、俺が書いたレビューから少し引用。
38℃のお風呂のような、じんわりくるあたたかみが全編に漂っていました。
人生折り返し地点に立つ40歳の男が、向き合うことを避けてきた郷里の父と言葉を重ね、さまざまな気づきを得るという物語です。
一度は憎んだ相手のためであっても、ちゃんと行動できる主人公の善良さに胸を打たれました。

女子と出かけるのは初めてだ。学校から一緒に帰ったことすらないのに、いきなり二人で電車に乗る。(本文15歳パートの冒頭より)