部活も受験も、大事なのはそのとき自分で選び取ったものかどうかってことだとあたしは思うんだよ。(本文より)
ものすごい作家が彗星のごとく現れたよ。
これは9月に発売されたスポ魂青春小説。
5人の個性バラバラな陸部高校生たちが
リレー競技に向き合うなかで成長すんの。
唯我独尊、自己嫌悪、不協和音といった
混沌がどう変わるかに注目してほしいな。
素材文適性はビックリするほど高かった。
今のところ問題文に使えそうなくだりが
最も多い来期向けの本はこれになるかと。
問題に使えそうな箇所の例(一部)
二章〇先輩への相談を通じて感じる喜び
三章◎悩める仲間へのやさしい働きかけ
四章〇前部長との会話で動かされる心情
四章△部活顧問への思い切った振る舞い
四章〇先生が見せる心憎い大人の気遣い
四章〇前部長のまさかの行動で心フワリ
以下、あんま詳しくは書かないでおくが
五章と六章ではマネージャーに注目だし、
八章の親パートは先生の役どころが良く
難関校の素材に向いてそうな印象だった。
ただ、中受ではノーマークの著者ゆえに
出題者がこの本に辿り着けるかは未知数。
まぁ、面倒くさいこと考えずに楽しもう。
読書の喜びを存分に味わえる本だからよ。
難易度はやや難、以下ジブンの感想っス。
陸上競技に青春を賭ける高校生たちの激アツ群像劇です。
100m×4人のリレーに対して5人の視点で描かれるので、一体誰が外れるのか気にしながら一気読みでした。
分厚いですが、それを感じさせない力が物語に備わっていましたよ。
交わらなかった個性が一つの目標に収束されていくさまや、関わり合うことで起こる化学反応のドラマに全面降伏。
見事に撃ち抜かれました。
これは一人ひとりの成長ぶりに目頭が熱くなること請け合いですね。
とくに責任感の強い部長の奮闘ぶりが凄い!
葛藤まみれの当人たちだけでなく、脇役の先輩たちのアシストぶりや、昭和テイストな顧問の先生のここぞという場面の振舞いも素晴らしいんです!
母親の気持ちが前面に出る瞬間も泣けますよ~。
まさに名シーンにつぐ名シーンといった趣。
さらに、つらさに効きそうな愉快なアイデアも豊富だったりします。
迷いを断ち切るだけでなく、湧き上がるようなエネルギーまでもらえるパワフルな一冊でした。

緊張する。だがその緊張すらも、勲章と思えば心地いい。(本文より)